>連載「夫たちが知らない、妻の本音」をはじめから読む
妻が夫にも言えない本音を聞き出すこの連載。第7回は、妻たちがずっと心に溜め込んでいる夫への不満を聞きました。
夫に対して、わざわざ言う気にもなれないけど、ずっと心でモヤモヤしていることは、多くの妻が持っているものです。代表的な不満を10個厳選してご紹介します。
子供のことより自分の趣味や都合を優先する夫
【その1】
「休みの日には、自分がやりたいことを優先して、私に負担がかかっていることを考えていない」(大阪府・39歳)
このほかにも「休みはほとんど寝ている」「土日は昼まで寝ている」「休みになると釣りに行ってしまう」などもありました。
この連載でも何度か書きましたが、家事・育児に休みはありません。年中無休。平日は、どうしても夫のほうが帰りが遅いので、家事・育児のメインは妻というのは仕方がないことだと思います。
だとしたら、休日くらいは戦力になってほしいもの。平日も休日も家事・育児は妻がやる、しかも仕事もしているとなったら、妻はいったいいつ休めばいいのでしょうか?
【その2】
「暇さえあればゲームをしている」(滋賀県・38歳)
ゲーム好き夫にうんざりしている妻の声は、私の周りでもたまに聞きます。妻もゲーム好きなら理解もできるのでしょうが、ゲームを全くしない妻からすると、自分が家事や育児であたふたしているのに、同じ家の中で夫がゲームをしていたら、絶望的な気持ちにすらなるでしょう。
例えば、ご飯を急いで作らなければいけない状況なのに、そういうときに限って子供が泣き止まない、ミルクを吐いた、おしっこを漏らしたなどなど、大人が2~3人で手分けしたいくらい差し迫った状況になることもあります。好きなことに没頭するのはいいですが、夫婦の溝を広げないために、妻の状況もよく見てください。
【その3】
「独身気分が抜けていない」(兵庫県・36歳)
子供が生まれてからも、これまでと同じように飲み会に参加する、休日は何も相談なく個人的な約束を入れるなどの声は多いです。特に子供が生まれて間もない頃は、やはり男性はあまり実感が湧いていないのでしょうか。
もし自分の役割がわからない、何が大変なのかわからない場合は、率直に何をやってほしいのか、妻に聞くのが正解だと思います。その際、産後の女性はホルモンバランスも崩れ、イライラしがちなので、なるべく上から目線ではなく、下手に出て聞くのがベターでしょう。
【その4】
「子供が生まれてから今まで、夫は1人の部屋で悠々と寝ていること」(宮城県・38歳)
乳児の頃の夜泣きはもちろん、もう少し大きくなってからでも、夜中に起こされることはよくあります。小さい子供がいるママは、常に寝不足気味。寝不足になると、余計にイライラしたりするので、たまには代わってあげてください。
ただし、子供のほうが「ママじゃないと嫌だ」というパターンもあります。妻の負担を減らすためには、まずは、パパと一緒に寝る習慣をつけるところから始めてみてはいかがでしょうか?
【その5】
「私が忙しく家事をしていても見て見ぬふり。子供のお世話をいっさいしてくれない」(大阪府・42歳)
そもそも「育児に無関心」(北海道・42歳)だったり、「家事も育児も男がするものではないと思っている」(兵庫県・37歳)というコメントも。
これだけ共働きが増え、イクメンという言葉も浸透し、家事はなるべく分担するという考え方が浸透しているのに不思議なくらいです。
今の30代は家事・育児の分担が当たり前という人が多数派のように思います。しかし、夫の年齢が上がるにしたがって、昭和時代のお父さん的考え方を持つ人も多くなるのかもしれません。
【その6】
「自分の都合で有休を取るのに、子供の行事では一切休みを取ってくれない」(愛知県・39歳)
サラリーマンであれば1年間に数日~20数日ほどの有給休暇がありますが、ママたちは子供の行事や子供が病気の際に、有休を使う人も少なくないです。それによって有休を使い果たしたという声も。そんなママから見ると、これは許せないことかもしれません。
しかも前述のコメントのように、週末や休みの日の家事育児も妻任せだとしたら、いったい妻はいつ休めばいいのでしょうか? 妻は休まなくても大丈夫とでも思っているのでしょうか。
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【その7】
「私を無料の家政婦だと思うな!」(北海道・42歳)
育児どころか、自分のこともまったくできないという夫もいます。「うちの夫は、コーヒーをカップに注ぐくらいしかできません。上げ膳据え膳が当たり前だと思うな!」(沖縄県・44歳)という声もありました。これでは、妻が働きたくても、仕事を探すことすらできなさそうです。
【その8】
「私が風邪をひいて体調が悪くても『今日のごはんは?』と聞く」(兵庫県・43歳)
この人も、家事・育児は男がやることではないと思っている夫だと思います。せめて妻が体調が悪いときには、今どき料理ができなくても方法はあるので、自力でなんとかしてほしいものです。
家事・育児に参加したほうがいいという意識はあるけど…
【その9】
「家事に対して『言ってくれればやるよ』というスタンス。毎回お願いするのはもう嫌」(大阪府・39歳)
この場合はまだ「自分も家事・育児に参加しよう」くらいは思っているパターン。しかし、妻から言われたことしかやらないということですね。
「うちの夫は気が利かない。いちいち指示を出すのが面倒」というママの声もよく聞きます。
【その10】
「外に対しては、自分は家事や育児をよくやっているとアピールするところ」(滋賀県・40歳)
この話も頻繁にママ同士で出る話題。「ゴミをゴミ置場に運ぶだけしかやらないのに、うちの夫は『自分は家事に協力的』と同僚に言っている」とか「週末だけは子供をお風呂に入れるけど、お風呂から出た後のお世話まではやらない。それなのにイクメン気取り」といった声を何度聞いたことか。
今回のアンケートで次のようなコメントもありました。
「息子が聞き分けできる5歳になるまで、1対1でお散歩にすら行ったことがなかったのに、義両親や友人の前などで育児を語られると『どの口が言うか』と思う」(愛知県・41歳)
ひょっとするとこの方の夫は、多少は家事・育児に貢献しているのかもしれませんが、妻としては貢献しているうちにも入らないということかもしれません。
かなり対等に家事・育児を分担している夫婦でも、妻の不満がゼロという家庭は少ないと思います。夫婦でよく相談した上で、お互いに納得できる家事・育児分担の着地点を探っていくのがいいでしょう。
また「不満があるなら直接夫に言えばいいじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、はっきりと不満を言えない理由も妻側にはあるのです。不満を言えない理由を、次回はご紹介します。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
石井あかね=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:既婚子持ちの35~45歳の女性200人