ページを閉じそうになったそこのアナタ。子供の頃にテレビ番組で見かけたソレとはひと味違いますよ。
昆虫食って実は究極のエコロジー、サステイナブルフードだったんです。
昆虫食。もうムシできない時代なので
国内では深刻な少子化や労働人口の減少が叫ばれて久しい昨今。しかしながら、地球上では人口爆発の危機が迫っていることをご存じだろうか? 1950年の時点で25億人だった地球上の人口は、現在77億人、2050年には95億人以上に達するとみられている。
今まで発展途上にあったアジアやアフリカ諸国の目覚ましい経済発展によるところが大きいのだが、皮肉なことに彼らが飢餓と困窮から抜け出すことで地球上の食糧生産が追いつかず、深刻な食糧難をも引き起こしつつある。
特に問題視されているのが“食肉”だ。家畜の飼育、特に牛は莫大な餌の生産を必要とするだけでなく、飼育中も反芻行為によって大量のメタンガスが発生する。また出荷後の輸送に伴う排気ガスの排出など、一連の過程すべてが温室効果をもたらし環境破壊の一因となっているのだ。
国連食糧農業機関によれば、地球上の温室効果ガス排出量の18パーセントは畜産によるものであると発表しており、途上国のさらなる発展によって今後もその値は増加していくと予想される。我々も毎日のように肉を食べることはそろそろ止めるタイミングかもしれない。
そこで2020年、オーシャンズは昆虫食を提案する。タンパク質やカルシウムが豊富で生産も簡単、収穫までの日数も早い。

例えば、無印良品が今春にコオロギせんべいを発売する。徳島大学の研究をベースに量産されたコオロギをパウダー状にして練り込んだものだとか。グロテスクな見た目に抵抗がある人も、原形を残していないものであれば食べやすそうだ。粉末状のコオロギから始めて、徐々に形をとどめたものにもトライしてみよう。
社会を変えるのは行動する消費者である。我々の意識が変われば、生産者や企業も変わらざるを得ない。意識の高い諸兄には、一歩踏み出す勇気を持ってほしい。そうだ、今こそレッツ昆虫食!
「鳥獣虫居酒屋 米とサーカス」のタガメパフェ

フォトジェニック!? なタガメが鎮座したパフェ。表層には乾燥させたミールワーム、中層にはクロレラゼリーとホイップクリーム、そしてドライコオロギも。
インパクトあるタガメは洋梨のようなフルーティで芳しい香り。
「無印良品」のコオロギせんべい

昆虫食のなかでもコオロギは食用に適している個体だとか。それに目をつけたのが無印良品。開発中というコオロギをパウダー状に練り込んだせんべいは、えびせんのような風味と軽い口当たりが特徴で、ビールのお供に最高だとか!?
「TAKEO」のヘボ プレーン味

岐阜県は中津川市付知産のクロスズメバチ、通称“ヘボ”を使用した焼き菓子。職人の手作業によって1匹ずつ抜き出されたヘボはノンフライで添加物も不使用のため、素材の旨味を存分に堪能できる。
濃厚な口当たりで、付け合わせの柚子ピールとも好相性だ。ワインやブランデーのおつまみにオススメ。
阿部智将=写真 大関祐詞=文