お洒落も夫婦円満でいきたい。そう思うなら今年は“ミーハー服”をふたりで着こなしてみるのはどうだろう?
ミーハーといっても、ただトレンドを追っかけた服じゃない。
case1:「マディソンブルー」のプルオーバーシャツ
【for ME】ゆったりめフォルムも要所を押さえてクリーンに
遊びを仕事に、仕事を遊びに。そんなライフスタイルを地で行く正比呂さんは、20歳の頃から今なおスノーボードに情熱を傾ける。そして、勤務先もアウトドアメーカー。そんな背景もあって、プライベートでも仕事でもスポーティな格好をすることが多いのだとか。
プルオーバーパーカにイージーパンツというのは、お馴染みの定番スタイル。ゆったりしたオーバーサイズのジャケットも、テーパードの利いたパンツで足元を引き締めて、首元からは白シャツを覗かせるとあら不思議、ルーズに見えない。「服は妻が自分のものを着てしまうので、いつの間にか兼用になってますね(笑)」。
【for HER】多少サイズが合わなくても自分なりに着るのが楽しい
「男性ものの服であっても、気に入ればいつでも着こなしに取り入れています」と語るエミリさん。このプルオーバージャケットは、男が着てもオーバーサイズだから、彼女が着るとご覧のとおり、よりルーズに見える。
とはいえ、それを逆手に取って、タイトなレザーパンツと合わせることで、メリハリの利いたスタイルに。「そもそも男っぽいデザイン自体が好きなんですよ」。サイズ感もテイストも、エミリさんには正比呂さんの服が好みのど真ん中というわけだ。
KEY ITEM

大きなフラップポケットを配したプルオーバータイプのジャケットは、古き佳きフランス軍のアノラックから着想を得たもの。それでいながら、再生繊維のリヨセルと麻の一種であるラミーの混紡素材で仕上げた透け感のあるボディは、着心地も見た目も軽やかで、男女問わず取り入れやすい。

「奥さまが男性モノ好き」
山本正比呂さん Age 43 小夏エミリさん 夫妻
結婚6年目を迎えたふたりは、ともにフルマラソンでサブ4(4時間切り)を達成した大のスポーツ好きでもある。正比呂さんの服をいつもエミリさんが着こなしているほど、ミーハー服実践夫婦。
case2:「オーラリー」のデニムジャケット

【for Me】全身ルーズなシルエットを脱力感満点で合わせる
オーバーサイズのデニムジャケットを、さらりとしたコットンギャバの極太パンツに合わせることでリラックスムードを全開に。「普段は海外で買い付けた古着を着ることがほとんどですが、なかでも味わいのあるデニム素材は本当に好み」。アメカジの定番、Gジャン×チノを彷彿させる組み合わせながら、細身の体型も活かしてビッグシルエットの服を着こなしているから、とても新鮮な印象に見える。
【for HER】異素材をミックスしてデニムの味わいを強調
恵里さんは、コットンニットのスカートやシャツワンピースといった柔らかな素材を効果的にセレクト。それによりデニムジャケットの味のある風合いを際立たせている。「普段からニットやアウターを旦那さんと兼用にしているので、オーバーサイズのトップスをスカートに合わせるのは定番スタイルです」。
KEY ITEM

洗い続けてもハリのある風合いを損なわないように、ムラ糸をとことん強撚して仕上げたというフロントポケットがアクセントになったGジャン。縦糸にはロープ染色した糸を使って丹念に織り上げたというボディは、ヴィンテージのような風合いでいて美しい発色が魅力だ。

「服選びは旦那さま目線」
加藤 將さん Age 45 恵里さん 夫妻
將さんは、ビーチサンダルブランド「シアーボ」のディレクター兼スタイリスト。ファッションに精通していることから、恵里さんは將さんのアドバイスを参考に、服選びをしているとのこと。
cade3:「エイトン」のスウェットパーカ

【for Me】モノトーンを意識して肉厚パーカを上品アレンジ
かつてボディメイクのパーソナルトレーナーをしていたという俊平さんは、がっちりとした体型で肉厚なパーカがよく似合う。
「ヴィンテージのアメリカ古着が好きで、以前は自分の好みだけで服を買っていましたが、夫婦で買い物に行くようになってから、シェアして着られるものを選ぶことが増えました」。リネンのコートとイージーパンツをモノトーンで統一して、スウェットパーカを上品に着こなした。
【for HER】ビッグボリュームなパーカはほっそりスカートで攻略
もともとはアメリカものやストリートテイストのウェアが好きだったという麻美さん。それだけにパーカやスニーカーといった男性が好むアイテムを着こなすのは十八番。とはいえ、俊平さんのウェアを着るときは、サイズ感が合わないために工夫を凝らしている。
肉厚なパーカは、ロングスカートで下半身をすっきりさせることで、バランスを取っているのが印象的だ。「お互いの好きなテイストがうまく共有できるように、彼の服を着るときはシルエットバランスを意識しています」。
KEY ITEM

リブ編みのサイドアクションパネルを両脇に備えて、動きやすさを考慮した肉厚パーカ。クラシックアメリカンなスウェットにこだわりつつも、三角形のフードや小さな左胸のフロッキー仕様のロゴなど、手の込んだデザインと遊び心が随所にちりばめられている。

「ふたりで工夫して着回す」
谷川俊平さん Age 36 麻美さん 夫妻
昨年末に結婚したばかり。かつては麻美さんがショップスタッフで、俊平さんがお客という間柄だったとか。ふたりともアパレル関係に顔が広く、共通の友人のブランドの服をよく着回している。
前田 晃(マエティコ)=写真 梶 雄太=スタイリング 北 一騎(パーマネント)=ヘアメイク 長谷川茂雄=編集・文