連載「ジタンコウフカのススメ」
「忙しくて時間がない」「ジムトレもそろそろダレてきた」という男性諸君、ちょっぴりキツいけどサクッと終わるトレーニングはいかがだろう。キーワードは「ジタンコウフカ(時短高負荷)」。
>>連載を最初から読む
時短でボディシェイプが叶う、いま注目のトレーニングメソッドである「高地(低酸素)トレーニング」。それを街中でできてしまうトレーニングスタジオ「ハイアルチ」のプロデューサー兼フィジカルコーチの新田幸一さんに、時短高負荷なトレーニングをレクチャーしてもらう。
今回は加齢とともに衰える「俊敏性」を強化できる、時短高負荷トレーニングについて。
【教えてくれる人】新田幸一さん
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
とっさのことに素早く反応できなくなったら……
毎朝の通勤ラッシュや休日のジョッピングモールなど、家庭を持つ40代男性の多くが避けては通れないのが人混みだ。考えるだけでもうんざりする、その理由のひとつが、シュッシュッとうまく人をよけながら歩けなくなったことにあったりしないだろうか。それに限らず、電車を逃しそうになったときなど、とっさのことに、だんだん対応できなくなっていると感じる人も少なくないだろう。その原因は、加齢による俊敏性の衰え、つまり老化の一種だ!
「俊敏性って老化の影響をすごく受けやすいんです。ハイアルチに通うトップアスリートたちも、筋トレや心肺機能を高めるトレーニングだけでなく、俊敏性を高め、維持するトレーニングは必ず行っています。
俊敏性とは、瞬時に物事を判断し、それに体を素早く反応させる能力。歳を重ねてくると、脳から出された信号が筋肉などの運動器に届くまでの時間が長くなり、その結果、体を素早く動かすことができなくなってしまうのだ。
「脳からの運動器への信号を送るスピードの遅延は、トレーニングである程度は防げます。定期的に行うことで、いわゆる体のキレってやつを維持できるのです」。
140BPMのリズムで俊敏に動き続けろ!
そこで今回は、プロサッカー選手も実践している、俊敏性を強化するためのトレーニングを紹介してもらおう。やり方はとてもシンプル。リズムに合わせて素早くジャンプ動作を繰り返すだけだ。この「リズムに合わせて動く」という動作によって、脳と運動器との連動性を高めることができるという。
「ただ単に速く動くだけでは脳が使われないですよね。脳がリズムを感知して、それに合わせて動くように運動器に指令を出す。これを速いリズムに合わせる。
リズムは140BPM(Beats Per Minuteの略で、1分間あたりに刻む拍数を示す単位のこと)をキープすることを目標に。さっそく実践してみよう。
BPMを自由に設定してリズムを刻めるアプリは多数存在し、無料でダウンロードできるものも多い。メトロノームを使用しても良い。●左右両脚ジャンプ(1分間)
ガムテープなどで床につくった目印をまたぐように、両脚を揃えた状態で素早くジャンプして左右に移動する。このとき、頭の位置はできるだけ固定すること。頭を軸にして左右に両脚を動かすイメージだ。●クロスジャンプ(1分間)
床の目印をまたぐようにして、脚を前後に素早く入れ替えていく。両腕を大きく振って反動をつけ、頭を軸に左右の脚を入れ替えるイメージで行う。●前後両脚ジャンプ(1分間)
両脚を揃えたまま、床の目印をまたぐように前後に素早くジャンプ移動する。以上3種目、時間はたったの3分で完了する時短高負荷トレーニングだ。ただし、以前紹介したバーピー並みにキツいトレーニングでもあるので、初めから続けて3種目を行う必要はないとのこと。各種目の間に休憩を入れ、呼吸が落ちついてきたら次の種目、という具合に慣れていこう。
【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。
【Other Training Menu】
低酸素スクワット/低酸素プッシュアップ/低酸素シットアップ/バーピー/スプリットランジ/スケーティングジャンプ/歩き方/ランニングマシン/100mダッシュ/メンテナンス/胸郭の回旋トレーニング
楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真