「偏愛スニーカー三番勝負」とは……
彼のスニーカー好きは周知の事実だが、その“偏り方”がハンパじゃない。
大ブレイク中のお笑いコンビ「かまいたち」の山内健司さんは、「レア物しか狙わない」と豪語するだけあり、どれもがプレ値のつくものばかり。
そんな偏食家の“偏愛スニーカー”三番勝負、とくとご賞味あれ。
①先鋒 ナイキ「エア ジョーダン8 ドーレンベッカー」

この珍しい「エア ジョーダン8」は、アメリカのポートランドにあるドーレンベッカー・チルドレンズ・ホスピタルと共同のチャリティ企画で生まれた一足。子供たちが思い思いにデザインしたスニーカーを実際に販売し、その売り上げを病院へ寄付するというものだ。
う~ん、実にハートウォーム。山内さんもそのキャッチーで可愛らしいデザインに思わずポチッ。

海外のサイトで購入したそうだが、金額はなんと8万円。もちろんプレ値である。
「人気モデルで、しかも国内未発売。存在を知ってもすぐに買えず、もちろん定価で購入など夢のまた夢。ずっと憧れていたんですよね」。
手にしたときの喜びは言葉では言い表せないほどだったとか。
②中堅 ナイキ×ガールズ ドント クライ「ナイキSB ダンク ロー」

スケートボードに特化したシリーズだけあり、「履き心地は最高」と山内さんもご満悦。しかし、彼の満足気な表情を引き出しているのはそれだけじゃない。
こちらは、今やストリートの“顔”的ブランド「ガールズ ドント クライ」とのコラボ作。
「デザイナーのヴェルディさんの知人に、このアイテムとポップアップショップの情報を聞いて『一緒に行こう』って誘われたんです。最初はブランドもヴェルディさんのこともよく知らなかったんですけど、ひと目見て可愛いスニーカーだな~って。すごく気に入りました」。

当然、今となっては定価で買うことはままならず、未使用なら10万円前後が相場。手に入れた幸運と、「赤」という縁起のいい色にちなみ、山内さんはこれを“勝負スニーカー”と決めている。
「『M-1グランプリ』のときも、予選から決勝までこれを履いてました」。
ご存知のとおり、その効果はテキメンである。
③大将 ナイキ×オフ-ホワイト「エア ジョーダン1」

「エア ジョーダン1」の偉大さは言わずもがな。だが、オフ-ホワイトとのコラボとなればその価値はさらに跳ね上がる。
セレブご用達のストリートラグジュアリーブランド、オフ-ホワイトを手がけるのはヴァージル・アブロー氏だ。現在、ルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクターとしても腕をふるっている。
彼によるスニーカーは世界中で人気が高く、常に市場では品薄状態が続いている。

当然、店頭へ普通に並ぶわけもなく、取り扱いのあるショップでは混乱を避けるため抽選を実施するのが通例。山内さんもそれに応募し、なんと、見事に当選したのだった。しかし……。
「まさか当たるわけがない、とタカをくくっていたので、当選したことに気付かず、連絡をスルーしちゃってたんですよ……。発売の翌日に気付いて、当選も無効になってしまいました。もう後悔しましたよ。しまくりましたよ。何してんねん、オレと」。
あまりに悔しかったため、海外サイトをチェックし続け、最終的に12万円で購入した。
「めちゃくちゃもったいない気はしましたよ、そりゃ。でも買ったりました。
何歳になっても、レアスニーカーが持つ魔力には抗いがたいものがある。稀少性という名の魔物に喜んで絡め取られにいく山内さんの姿勢は潔く、あっぱれとしか言いようがない。
「偏愛スニーカー三番勝負」とは……外に出られずとも眺めているだけでアガる、それがスニーカー。スニーカー愛に溺れた生粋のスニーカー好きたちが偏愛する一足を披露する、スニーカー三番勝負。
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菊地 亮=取材・文