7月28日(火)、渋谷のシンボル・宮下公園が「MIYASHITA PARK」となってリニューアルオープン。
従来の公園設備に商業施設、ホテルを一体化し、複合施設として生まれ変わった「MIYASHITA PARK」は、買い物よし、食べてよし、遊んでよしと、三拍子揃った空間へと変貌を遂げた。
ただ、どこかで「いわゆるショッピングモールっしょ?」と訝しがっている人も多いはず。
そこで、オーシャンズはひと足先に新生「MIYASHITA PARK」へと潜入し、館内を散策。以下ではオーシャンポ(オーシャンズ+お散歩)の結果報告として、数あるストアの中からイチオシを紹介する。
圧縮された白Tの魅力

#FFFFFFT.zip
まず、#FFFFFFTは「シロティ」と読む。そして、その名の通り、我々の夏の制服である白の無地Tシャツに特化した、世界初の白T専門店である。
2階の中央に位置する「#FFFFFFT.zip」はキオスク形式の外観が特徴。

店頭では、千駄ヶ谷の旗艦店で取り扱ってきた約90ブランド、300種類の白Tから、特に好評だったモデルを厳選して販売。店名につく「.zip」は圧縮ファイルの拡張子で、つまり、白Tの魅力を圧縮した店舗、というわけだ。
なかには「MIYASHITA PARK」限定Tシャツも用意。

上質な綿糸を、通常では行わない織機と技法で編み立てる「フーズメイキング」、フランスの有名メゾン出身の杉原淳史氏が手掛ける「オーベット」、機能性を追求する「ミノトール」といった、丁寧なものづくりで知られる日本ブランドが手掛けたそれらは、白Tとはいえ超個性的で魅力的だ。

一概に白Tと言えど、それぞれの違いは一目瞭然で、#FFFFFFTはその奥深さを教えてくれる。
ちなみに、#FFFFFFT.zipは9月末までのポップアップショップなので、気になる方はお早めに!
施設の隙間にできたスキマ

スキマ
ヌメ革を使用したレザープロダクトでお馴染みの「エンダースキーマ」の直営店「スキマ」は、初の商業施設への出店。
国内3店舗目のスキマは、MIYASHITA PARKの“隙間”にすっぽりと収まった、わずか7坪の狭小空間。しかし、壁面にシェルビングシステムを用いた見やすい作りとなっている。

オープン記念には、左右のトウにメダリオンで“渋谷”の文字をあしらったドレスシューズタイプのミュールと、通常はスエードしか展開していない巾着型のショルダーバッグを、ナチュラルカラーのスムースレザーにアレンジしたモデルをリリース。

また、生産過程で余ってしまう副資材を用いたプロダクトライン「left to right」も豊富に揃う。

封筒やウォールポケットは同店のみの販売で、そのほかブックカバーやペン、コースター、缶バッジなど、ちょっとしたギフト探しにも最適なショップとなっている。

普通はこぼれ落ちてしまうレザーを無駄なく使用するエンダースキーマのサステイナブルな取り組みは、年月を重ねるごとに共感する人が増加中。生活にレザーを持ち込み、育てる楽しみを実感してみては?
まさかの仮店舗?

TEMPORARY STORE OF SSZ
BEAMSの名物バイヤー、加藤忠幸さんがディレクションする「SSZ(エス エス ズィー)」が、満を持して初の独立店舗をオープン!

その名も「TEMPORARY STORE OF SSZ」。直訳すると“SSZの仮店舗”。施設のポップアップスペースではあるものの、実際に店舗を構える気持ちで作り込んだ店内は、“仮”どころじゃない仕上がりになっている。

内壁にはSSZお馴染みの黄色いメモ帳とスクラップが隙間なく貼り付けられ、ぬいぐるみやスケートデッキ、今回のために製作したという段ボールなど、加藤さんの偏愛で埋め尽くされている。

アイテムでは、抜群のはき心地でファンの多い「マジックナンバー」のボードショーツや、寿司の写真がアウトソールを飾る「リーフ」のビーチサンダルもさることながら、七里ヶ浜のサーフ&スケートショップ「ハイドロ」の安藤清高さんと、クリスチャン・ホソイも慕った故デビル西岡さんによるグラフィックTシャツに注目だ。

かつて宮下公園でスケートした人には感慨深い、「MIYASHITA PARK」にできた仮店舗。立ち寄らない手はないだろう。
裏参道の名店の2店舗目

レショップ
通称“裏参道(表参道の裏側)”の評判店「レショップ」の出店もまた、朗報のひとつ。
2店舗目のこちらは旗艦店とは異なり、ボックス型のオープンな佇まい。統一感のあるレイアウトで「MIYASHITA PARK」内で最も洗練されている印象だ。

こちらでは、別注のアーカイブ商品の復刻とベーシックアイテムを取り揃えており、クローゼットに不可欠な“定番”がいつでも手に入る。つまり、買い逃したアイテムが時を経て蘇るチャンスもあるのだ。

実際に店舗を眺めていると、「グラフペーパー」や「コモリ」のシャツ、「イズネス」のカレッジTシャツ、「リー」のデニムなど、傑作別注アイテムがずらりと並ぶ。

数年前に登場して常に品薄状態が続く「アウトドアプロダクツ」のレコードサイズバッグもリストック。
行けば必ずいい出会いがある場所。やはり、レショップはグッドショップだった。
いいバイブス流れてます

「イコーランド シブヤ」
ココは、モノ・人・体験・新しい価値に出会える、リアルとデジタルで展開するキュレーション型コミュニティ店舗だ。

約80坪の広々としたスペースは大きく4分割されている。
五感を刺激するマーケットエリア、ファッションの“信用”を掲げたオリジナルブランド・エリア、若手アーティストをフックアップするギャラリー兼コミュニケーションスペースとプレスルーム。
マーケットエリアやギャラリースペースは設定されたテーマに沿って2カ月ごとに表情を変えていく。

「伊良コーラ」による世界初のクラフトコーラ、オーガニック・テキスタイル世界基準の認証を受けている「ザ・オーガニック・カンパニー」のタオルなど、幅と奥行きを感じるキュレーション力は、一見さんも常連さんも分け隔てなく楽しむことができるはず。

とりわけグッときたのは、ビースティ・ボーイズ世代の3人が展開する「トーキー(TALKY)」のヒップホップ掛け軸。
フラッと覗いて、気になるアイテムを持ち帰る。イコーランドには常に“発見”が溢れている。
MIYASHITA PARK
住所:東京都渋谷区渋谷1-26-5
www.miyashita-park.tokyo
※新型コロナウイルス感染拡大予防のため現在、事前予約制・入場制限を行っています。詳しくは公式HPをご確認ください。
市川明治=文