「Camp Gear Note」とは……
長かった梅雨がやっと明けたのに、遠出もできず、今年の夏はモヤモヤっとした日々が続く。
こんな状況下だからこそ、新たなキャンプギアを手に入れて、心置きなく出かけられる日を思い描いてみるのも一興だ。
老舗テントブランド「ogawa」が、この夏おすすめする7アイテムをチェックしつつ、一緒に妄想を膨らませてみよう。
懐古主義ではない、ロッジ型という新提案
まず、今シーズンのベストセラー商品「オーナーロッジ タイプ52R」を紹介しよう。こちらは、ヴィンテージ感溢れるロッジ型テントを現代に蘇らせた意欲作だ。

近年、ベテランには懐かしく、ビギナーの目には新鮮に映るロッジ型のヴィンテージテントが人気を博している。現存する個体数が少なく、数十万円で取引されることもあるが、その多くが取り扱いの難しいコットン製で日本の気候風土に合わないものも少なくない。
そこで、こいつが新たな選択肢ってわけ。

洒落た外観でありながら、最新素材を用いることで重量を大幅にカット。さらにディテールにまでこだわり抜いた機能で、居住性も抜群だ。
例えば、インナーテントには通気性に優れ、涼しく感じるTC素材を採用。4方向に大型のメッシュ付きの窓と扉を設けているため、蒸し暑い夏場の使用も快適そのもの。室内は5人家族が悠々寝られる広さを誇る。
なんと言っても、このレトロで愛らしいルックスが、キャンプ場で目を引くことは間違いない。

汎用性の高さで選ぶならば、シェルター型もあり

前編でお伝えした通り、近年のキャンプシーンは目覚ましい多様化を遂げている。ときに家族で、ときにひとりでと、さまざまなスタイルでキャンプを楽しみたいなら、汎用性の高いシェルターをおすすめしたい。
新作シェルター「ツインクレスタ」(7万4800円[税込])は、状況に合わせてテントとしてもタープとしても使える優れもの。

ポールは、広々とした張り出しを生み出す独自構造のY字型を採用。実物を目にしたら、コンパクトな見た目を裏切る快適な広さに驚くだろう。
タープ状に跳ね上げられるフロント部には、雨風を凌ぐサイドウォールが付属するなど、細部にまでなんとも気が利いているひと張りだ。
テント以外のキャンプギアにも注目アイテムがずらり

「ogawa」と言えばテントやタープのイメージが強いが、キャンプ通のあいだでは座り心地抜群のチェアも評価が高い。
なかでも、「ツーアングルチェアL」(1万2100円[税込])は発売されたばかりの注目作。名前の通り、脚の差し込み口を変えることで背もたれの角度を2段階に調整できる構造が特徴だ。
別売のフットレスト(4290円[税込])を追加すれば、さらに伸び伸びリラックス。お酒やつまみを用意して、庭やベランダなど自宅で使うにもちょうど良いだろう。

国内製造の高品質ダウンメーカー「ナンガ」とコラボした寝袋「シュラフレクタ」も、知る人ぞ知る人気アイテムである。

近年のシュラフの主流となっているマミー型ではなく、あえて四角い封筒型を採用している。その理由は、サイドのジッパーをフルオープンにして、掛け布団としても使えるようにするため。
実はこれ、ナンガで余り生地が出たときのみ生産されるという売り切れ御免の限定アイテムで、お値段もかなりお買い得。

入荷即完売が続く、直営店とオンラインショップ限定商品
「ogawa」直営店とオンライン販売のみの限定モデルは、耳の早いキャンパーの間ではリリースのたびに話題になっている。

今年は収納ケースやバッグの人気ブランド「オレゴニアンキャンパー」とのコラボモデルが充実。
写真のペグバッグのほか、ソフトクーラー、トラッシュボックス、テント周りのものを収納する大型バッグなど、どれも入荷すると即完売が続くほどの人気ぶりだ。

最後にオリジナルのペグにも触れておきたい。

一見、なんの変哲もないシンプルなペグに見えるかもしれないが、これぞこだわりにこだわった逸品。
高硬度、高強度なクロームモリブデン鋼を用い、新潟の三条で一本一本鍛造して、強靭な造りに仕上げられている。
土に埋まり、目に見えない小さなパーツにも手を抜かない。いや、目に見えないからこそこだわる。これぞ、「ogawa」のものづくりに対する姿勢なのである。

[問い合わせ]
ogawa GRAND lodge SHINKIBA
住所:東京都江東区新木場1-12-19
電話:03-6457-0306
営業:10:00~19:00(土・日曜、祝日9:00~18:00)
火曜定休
www.campal.co.jp
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「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。
池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真