「こだわりキャンパーの愛用ギア」とは……
「キャンプギア」と言えば、テント、寝袋、チェア、ランタン、ガスバーナーあたりが王道だろう。そういう意味では、天津木村さんの愛用ギアは王道とは一風変わったセレクトだ。
でも、どれも手軽で役立ち、しかもマルチに活躍する気の利いたアイテムばかり。そこには長いキャリアに裏付けされた確かな経験と知恵が滲むのだった。
天津木村(木村卓寛)●1976年5月22日生まれ。兵庫県出身。ツッコミ担当。1999年に吉本総合芸能学院(NSC)の同期である向清太朗と「天津」を結成。詩吟と下ネタをミックスした“エロ詩吟”で一世を風靡。現在は、キャリア20年を誇るアウトドアの知識を活かした自身のYouTubeチャンネル『天津木村のてんきむチャンネル』でアウトドアの魅力を発信中。
走らないトレランスタイル、あると思います!

あらゆる事態を想定すると、荷物は多くなる。それをどれだけ減らせるかはやはり経験によるところが大きい。しかも、我々アラフォー世代にもなると、数㎏、数gの違いが仇となる。天津木村さんも、仲間内との会話でそんな話題が出てきたそう。
「僕の山仲間はみんなおじさん。

手にしたのは、サロモンのAGILE 12 SET。軽量なうえに、体への負担が少ない優れたフィット感は快適性を担保しながらスピーディな動きにも対応してくれる。計算され尽くしたポケットの配置により、必要なアイテムにも即座にリーチ可能だ。
「軽い! 走れる! ボトルホルダーが付いてる! と、三拍子揃ったアイテムです。まぁ、走りはしないですけど……(笑)。サイズ感もちょうどいいし、これによりいろいろと現地でやれること、動ける距離は変わりますよね」。
さすがにこれひとつでキャンプへ行くには少々ハードルが高いかもしれない。ただ、トレランや周辺の散策など、現地での過ごし方に選択肢が生まれ、行動範囲だって広がるかもしれない。
アウトドアの天敵も、もはや気にならない!

天津木村さんがアウトドアにハマったきっかけは、20代の頃に出かけた北海道旅行だそう。そこでたまたまフラ~っと登った富良野岳の頂上で、何も考えることなくフラットな気持ちになれた思い出が忘れられなかったようだ。
「やっぱりいろいろ考えてしまうお年頃だったんでしょうね、何も考えずただボーッとできたことで心がすっきりしたというか、リセットできたというか、それがすごく気持ちよかったんですよ」。
そして、数えること20数年。アウトドアはもうライフスタイルの一部に組み込まれている。とはいえ、未だ慣れないものがひとつ。虫である。

「こればかりはもうどうしようもないですよね(笑)。夏に低山を登り始めたとき、虫の多さにもう絶望しかけましたから。そんなときに出合ったのがこれなんです」。
帽子の上からすっぽり被るだけで虫から顔周辺を守ってくれるこのアイテム。視認性も十分で、通気性も良いため息苦しさを感じさせない。ネット下部のドローコードを引っ張ることで、ネック部分からの侵入も防いでくれる。アウトドアではもちろん、ガーデニングや農作業、サバイバルゲームなどでも重宝する。
「これをするのとしないのとでは安心感が違います。虫の羽音も気にならないですから。しかも、これをつけたまま行動食を食べようとしてネットに引っかかってしまう、そんな愛おしい自分にも気付かせてくれるんです(笑)」。
見たこともない世界へ連れて行ってくれる水先案内人

ギアの魅力をして「自分のできることの範囲がギアによって広がっていくワクワク感」と話す天津木村さん。「それはまさしく、ドラクエの武器のグレードが上がっていくときの高揚感と一緒」だとか。これこそ、そんな気持ちを代弁してくれるアイテムではなかろうか。

「BSやNHKで放映している山番組を観ていたときに、ドローンからの映像が流れたんですよ。たしかに山の頂上から見る景色や空も素敵なんですけど、空から見る山も素晴らしいなと。自分もこんな映像を撮ってみたいと思って購入しました」。
MAVIC MINIは、バッテリーフル充電で最大18分の飛行が可能。操作画面上を数回タップするだけで簡単に動画を撮影することができる。2.7K動画の映像も美しく、編集もイージーだ。
「非常にコンパクトで運びやすいくせに、これまでに見たこともない景色を見せてくれます」。
今では、そんな空からの映像に首ったけ。山へ向かう際の必需品となっている。重さはスマートフォンとほぼ同等の199g。これなら、山へ連れて行くのも苦にならない。
王道のキャンプギアとは一線を画す天津木村さんの愛用品。ただ、こんな装備品があれば、アウトドアという名のダンジョンをより楽しく、快適に過ごせそう。これ、選択肢として、大いにあると思います!
「こだわりキャンパーの愛用ギア」とは……全国的に沸騰中のキャンプ熱。その魅力は開放的な大自然と、「ギア」に見出す男のロマン。今もっとも気になる、“あのこだわりキャンパー”たちの愛用ギアを特別に拝見。
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菊地 亮=取材・文