「Running Up-Date」とは……
2020年の年末、ビジネスにおいて大きな転機を迎えているという宮本哲明さん。世の中は新型コロナウィルス感染症に翻弄された一年であり、それがランニングギア選びにも無意識の内に反映されているのだそう。
最近手に取るようになったのは、ひと言でいえばビビッドな色のランニングギア。新たなカラーに挑戦しているのだ。
今までの自分の守備範囲にはなかったカラーをセレクト

シューズに関しては「クッション性があって履き心地が良いから」とニューバランス党を貫いている。
体格に恵まれているので、大柄な人が多いアメリカ人に支持されてきた同社のクッシニングフィロソフィーが宮本さんにマッチするのかもしれない。
「普段履き用として『993』が好きで、出張であればラン用も兼ねてその一足で済ますことも多いです。今日履いてきたのは『フューエルセル プリズム』というモデルで、ミッドソールに採用されているフューエル セルならではの弾むようなクッション性が特徴的。それ以外は、正直にお話しすると機能的なことは詳しく知らなくって(笑)。第一印象の直感で選んでいますね」。

「いちばんの魅力はカラーリングです。最近はコーディネイトに色を取り入れるモードに入っていて、このネオンカラーが気分をアゲてくれる。色でスパイスアップしているんです。うっすらと沈みがちな世の中の情勢も影響しているのか、気が付いたらハッピーな色合いを取り入れている自分がいます。色のチカラって大きいですね」。
2021年注目のデザイナーズアイテムをフライングゲット
色味といえば、青が鮮やかなパーカ&ボトムスもよく映える。
「ラブラムロンドンというブランドで、アフリカ・シエラレオネ共和国の東京2020五輪ユニフォームを手掛けており、そのオリンピックキットのコレクションです。ご覧の通り派手で、アフリカ系のエスニカルなテイストが取り入れられています」。

「デザイナーのフォッツ氏が知り合いで、そのつながりで展示会の際に見つけてピンときました。自分にとっては新しい色、新しい発見と言いますか、いつもと違うウェア選びだけど、インスピレーションソースになってくれています」。
ビビッドなカラーが、長身の宮本さんによく似合っている。
冬小物はデイリーに使えるモノから選ぶ
最近は無になりたくて走っているため、ヘッドフォンや時計などガジェット系のギアは携行しない。
「キャップは好きで、走るときはほぼ必ず被ります。特に今の時期は寒いですからね。これはダウンアウターで人気のイエティが作っているキャップ。サイド部分を倒すと耳当てになるパターンで、雨が降ってきたときなんかは調子良いですね」。

「この手のフォルムのキャップばかりです」と、ツバが短めの、いわゆるジェットキャップタイプを愛用している。

「ほかにも、冬のランではフリースアイテムをよく着用しています。
ポーラテックのフリースは安価で上質だから、安心感があります。ひと言でいうと気持ちがいい。だから寒い日には半ば無意識のうちに選んで、身に付けています」。

先日、自身の手掛けるショールーム「ブランデッド」を千駄ヶ谷にオープンさせたばかり。突貫の準備で多忙を極めたというが、この取材のために久々に走って、スパイスアップされる色味のウェア&ギアに身を包んで「走ることのよさを再認識しました」と宮本さん。
日々の生活の中で体と心を整えるため、ランニングを適度に取り入れたい。そのためにも、走りたくなる、使いたくなるデザインのギアは大いに効き目がある。機能だけでなく、デザインだってギア選びの大事な要素になるのだ。

氏名:宮本哲明
年齢:37歳(1983年生まれ)
仕事:ブランデッド ディレクター
走る頻度:とくに決まっておらず、気ままに
記録:レースへの参加はとくになし
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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真