「Camp Gear Note」とは……
自宅や近所で出来る手軽なアウトドアがすっかり浸透した昨今、大型連休中は家族でBBQの予定を立てている人も多いだろう。
しかし、毎度BBQをする度に「何回やってもスムーズにできないんだよなあ。
その原因は、きっとなんとな~く肉を焼き始めてしまっているから。
BBQの満足度とスムーズさは、実は肉を焼き始める前に決まると言っても過言ではない。知っておくべき知識とやる準備がいくつかあるのだ。
覚えておくべきポイントをいくつかピックアップしてみた。
BBQ上達テク① 初めにすべきは片付けの準備から

炭火を起こしたり、BBQグリルを用意するよりも前にすべきことがある。それは片付けの準備。まずは、ここからスタートするのがBBQ上級者への第一歩だ。
炭や薪の準備を始めるとすぐに何かしらのゴミが出るので、ゴミ箱は一番最初に用意したい。
ゴミは燃える、燃えないの2種類に分別する場合が多いため、ゴミ箱は最低ふたつは欲しい。ひとつでも構わないが、撤収時に分別する手間を考えると初めから分けておいた方がスマートだろう。

水はたっぷりと用意しておこう。手や道具を洗ったりする衛生用としてはもちろん、飲みもの用に沸かしたり、水があると何かと重宝する。
肉が焼けてお酒も入って楽しくなってきたタイミングで、追加の水汲みに行くなんてナンセンス。初めから十二分に用意しておくのが上級者の嗜みなり。
また、デキる玄人は水用とは別に保温ポットで湯も用意する。飲みもの用だけでなく、油汚れを洗うのにも使えるからだ。
外で沸かすと手間なので自宅から湯を入れてくるといい。暖かい時期ならば一日中冷めずに使える。
BBQ上達テク② 小物にこそこだわってみる

BBQの必需品といえばグリルだが、ほかにトングとグローブもなくては始まらない必需品である。
100円ショップのトングや軍手でもことは足りてしまうものの、ビギナーと玄人の違いはこの小物に出る。
グリルや焚き火台にこだわる人は多いが、小物にこそさりげなくこだわりを発揮しよう。

例えば、トングは5000円も出せば、かなりこだわったものが手に入る。グローブだって1万円あれば上質なものが選び放題だ。
どちらも長く使い続けられる道具なので、ちょっと奮発してでもいいものを選び、じっくりと使い込んでいただきたい。
革製のグローブやグリップが木製のトングなど、経年劣化を楽しめるような素材を選ぶと汚れても愛着が湧く。
BBQ上達テク③ 焼かなくても食べられるものを用意する

準備を整え、火をつけて肉が焼けるようになるまでには、そこそこ時間がかかる。
それを待つ間に食べ始められる、ちょっと気の利いたつまみがあると最高だ。「焼かなくても食べられるもの」とは、決して一休さん的トンチ話ではございません。
自宅で何か仕込んでいくのがベストだが、スーパーで買った惣菜でもいい。とにかく「すぐ食べられるもの」がいくつかあると、かなり便利。
言われてみれば当たり前のことだが、意外と実践している人は少ない盲点だ。

肉以外の食材にも同じことが言える。せっかく野菜を用意したのに、生焼けのまま焦がしてしまって誰も手をつけない……という悲しい光景をよく目にする。
しかし、すでに火が通っていて、そのまま食べられる野菜の加工品を選べばこんな失敗はなくなる。
表面に美味しそうな焦げ目さえつけばすぐ食べられるし、皮剥きなどの手間とゴミが出ない。量を買いすぎずに済むのも利点だ。
BBQ上達テク④ レシピ構成の基本は「少量を色々」

続いて、レシピ構成を考えてみよう。ひたすら高価な肉を食べ続けるBBQよりも、全体のバランスを考慮したBBQの方が満足度は高い。
例えば、豪華な塊肉をメインに据えたら、サイドディッシュとして野菜や魚介を使ったホイル焼きや、場が盛り上がるような変わり種料理を取り入れてみるといい。
食後は焼きフルーツで締めると、酵素の効果でお腹がスッキリすることも覚えておこう。

意識すべきポイントは、ひとつの種類ばかり食べ過ぎないこと。
もう少し食べたい、と思うくらいの量を色々な種類食べれるように準備しよう。肉の量の目安は、ひとりあたりトータルで200gもあれば十分だ。
次回は炭火の起こし方や火加減の見極め方をおさらいしてみよう。お楽しみに。
「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る
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矢島慎一=写真 池田 圭=取材・文 尾上製作所=撮影協力