「隣のオッサンは青いか?」Vol.28
酸いも甘いもかみ分けて、世の中のおおよそのことがわかった年代。けど、いまだにわからないのが、人の心。
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人生を豊かにするための大切な要素のひとつである“趣味”。
同じ趣味を持つ仲間との距離は自然と縮まるものだが、夫婦にも「共通の趣味」があったほうが円満家庭につながるのだろうか。それとも、結婚後も趣味は“個人”として楽しんだほうかいいのか。夫婦の「共通の趣味」について、30~40代で婚姻年数が5年以上の既婚者200人(男性100人・女性100人)にそれぞれの意見を聞いた(協力:アイリサーチ)
■夫婦共通の趣味が円満な夫婦生活に繋がると思う?
「そう思う」と答えた男性 69.0%
「そう思う」と答えた女性 51.0%
男女ともに半数以上が共通の趣味を重視していることがわかったが、どちらかというと男性の方が「夫婦で楽しむべき」派、女性が「ひとりで楽しむべき」派が多いようだ。理由も教えてもらうと、以下のようなコメントが寄せられた。
【必要ないと思う派】
「趣味まで一緒にしたくない」(女性、30歳)
「自分の興味のないことに関しては共感は得られないから」(男性、31歳)
「夫婦は夫婦でも個々人で尊重すべきだから」(女性、37歳)
「特に趣味が違ってもお互いの趣味に対して理解していればいいと思うので」(女性、47歳)
「夫婦とはいえ個人は個人。お互いの趣味に付き合う、容認することができていれば、共通の趣味は不要だと思うため」(男性、38歳)
「共通である必要はなく、異なっていても、お互いの趣味を認め合えればいいから」(男性、45歳)
【必要だと思う派】

「一緒に楽しめるものがあるだけで、心の結びつきが強くなると思うから」(男性、47歳)
「夫婦それぞれだと思うが、私達は共通の趣味がきっかけで結婚したので。なんだかんだで子供の話題以外に趣味の話ができるのがいい」(女性、34歳)
「子供が大きくなっても共通の趣味があるから」(女性、47歳)
「仮にケンカをしていても、趣味を一緒にする事でいつの間にかまた仲が戻っているから、趣味は同じものがあるのは良いと思う」(女性、46歳)
「全く同じでなくとも共通項のある趣味は会話につながり良いことだと思う」(男性、40歳)
「会話が増えるから」(男性、41歳)

共通の趣味が「必要ない」と考える既婚者は、やはり「夫婦であっても個人の時間を大切にしたい」と考えているようだ。特に意見の多かった女性からは、「夫婦は夫婦でも個々人として尊敬すべきだから」(37歳、女性)、「一緒にいたくない時もある」(41歳、女性)など、趣味の時くらいは“妻”や“夫”という立場を置いて、個人に戻って楽しみたいというコメントが寄せられた。
他方、「趣味がきっかけで結婚した」という人もおり、「心の結びつき」を強めるためにも必要だとする意見も。必要派が多かった男性は、「一緒にいる時間が潰せるから」(男性、45歳)、「休みの日に会話ができる」(男性、46歳)と、妻との会話のきっかけづくりのために共通の趣味は不可欠だと感じている人が多いようだ。
結婚歴と共に「共通の趣味」は微増する

では、「共通の趣味」が実際にある夫婦はどのくらいいるのだろうか。婚姻年数で分けて集計すると、以下のような結果になった。
■夫婦で共通の趣味はある?
【結婚年数5年以上10年以下】
・ある 33.3%
・ない 66.7%
【結婚年数10年以上】
・ある 39.6%
・ない 60.4%
全体の約6割が「共通の趣味はない」と回答。同じ空間で生活する家族といえども、趣味のときだけは結婚前と同様、“個人”として楽しみたい、と考える既婚者は少なくないのかもしれない。
ただし、結婚年数が上がると「共通の趣味がある」と答える人が微増している。共に時間を過ごす中で“個人の趣味”がいつの間にか“夫婦の趣味”に変わる――。決して多くはないが、そんな経験をする既婚者も一定数いるようだ。
結婚生活10年以上の夫婦に「共通の趣味」が必要なワケは……

結婚生活が長くなると、夫婦ふたりきりでどんな会話をすればいいのか戸惑うことがあるかもしれない。特に子供が大きくなると、共通の話題が一気に少なくなるともいうが、そんなとき「共通の趣味」があれば、「会話が増える」「一緒にいる時間が潰せる」というメリットをもたらしてくれる。
一方、共通の趣味が「必要ない」場合でも、お互いの趣味を「理解する」「容認する」「認め合う」ことが大切だと考えている既婚者も多い。パートナーの趣味を理解し、認め、興味を持ってみる――。もしかしたら、そんな姿勢こそが「夫婦共通の趣味」が生みだし、円満な家庭を作るコツなのかもしれない。
フジアマネ=文