高級車の代名詞とも言えるメルセデス・ベンツ。そのさらに上のラグジュアリーブランドが「メルセデス・マイバッハ」だ。

これまで日本ではメルセデス・ベンツのSクラスをベースにしたサルーンモデルが発売されていたが、ついに“SUVのマイバッハ”がやって来た!

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GLSベースのメルセデス・マイバッハ「GLS600 4マチック」。セレブが乗るのはもはやセダンでもミニバンでもなく、SUVの後席という時代なのだ。

 


乗り込んでから降りるまで、すべてが贅沢

むしろ安いかも? 2000万超のマイバッハ初SUVは、想像する贅沢を軽く超えていった

通常GLSのフロントグリルは横ストライプで、AMGモデルになると縦ストライプになるが、マイバッハはAMGよりさらに細かい縦のピンストライプ。

堂々としたフロントフェイスにツートンカラーの存在感、さらにBピラー(ドアとルーフを繋ぐ柱部分)もクローム仕上げとなって、通常のGLSとはひと味違う高級感を醸し出す。

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車高の高いSUVだが、ラグジュアリーなマイバッハに「どっこいしょ」と乗り込む所作はふさわしくない。

だからドアを開けば大きなステップがボディ下から自動でせり出し、ボディも高さが25mm下がる。もちろんドアを閉めればステップは消え、走り出せば車高は自然と戻る。

乗り込む段階でこの調子、まるでよくできた執事のような振る舞いだ。

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錆びにくいアルミ製ボード。夜間でもよく見えるようLED照明も備わる。

そしてマイバッハの注目は、やはりインテリアだろう。

GLSには3列目シートを備えたモデルもあるが、マイバッハはセパレートタイプの後席を備えた4人乗りが標準仕様。

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こちらは運転席。音声でさまざまな操作ができるMBUX機能が備わる。「暑い」といえばエアコン温度を下げてくれ、学習機能によって使う度にどんどん賢くなる。

しかも標準のGLSと比べて後席を120mm後ろへ、かつ内側に30mm移動させて、後席の居住空間にゆとりを持たせている。

そのうえゆったりと座れるように本革の織り込み方にまで工夫が施され、最大43.5度まで後ろに倒せるシートをリクライニングさせれば仮眠も取れる。

後席の乗員にとって目の前にくる前席背もたれ部分にも高級感のあるウッドトリムを配置。

この車は全席すべてがファーストクラスなのだ。

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高級感抜群の、マホガニーブラウン/マキアートベージュのインテリア。ラゲッジと後席との間はパーテーションで仕切られ、ラゲッジ側からの音の侵入を遮断。

上級皮革のナッパレザーとウッドパネルに覆われるインテリアは、3種類のキーカラーから選べる。

標準はブラックだが、ほかにマホガニーブラウン/マキアートベージュやクリスタルホワイト/シルバーグレーがあり、ダッシュボードやシート、センターコンソールを覆うレザーはキーカラーに染まる。

ウッドパネルも標準のアンスラサイトオークウッドをはじめ5種類が用意されている。


最高のシートと音響には、シャンパンも必要だ

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こちらのインテリアカラーはクリスタルホワイト/シルバーグレー。高級ヨットの艇内がモチーフ。

しかも後席の間にはシャンパンボトル3本が入る冷蔵庫と、専用グラス2つが入る収納を用意。センターのカップホルダーは温度調節機能付きだ。

またすべてのシートに「リラクゼーション機能」が標準装備されており、バックレストに備わった10カ所の押圧ポイントが疲れた体をほぐしてくれ、シートヒーターと組み合わせればさながら温圧マッサージのよう。

後席の手元にある7インチタブレットを操作すればすぐに音楽が室内に流れるし、目の前のモニターに映画を映し出すこともできる。

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専用シャンパングラスと750mlのシャンパンボトル3本が収まるクーリングボックス。

なにしろ、車内はGLSより遮音性の高い窓ガラスを採用するなどもともと十分静かなのに、さらに静粛性が高められていて、音響効果も計算されている。世界最高峰のオーディオメーカー、ブルメスターの3Dサラウンドシステムを備えた、理想的なオーディオ空間でもあるのだ。

つまり、道中の風景に飽きたら、寝そべりながらシャンパンを飲み、マッサージを受けながら好きな音楽や映画に没頭するのが、この車の大前提。座席だけじゃなく過ごし方までファーストクラスである。

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リアモニターは左右席それぞれに1台備わる。操作は手元のタブレットで行う。

そんな乗員のくつろぎの時間を損なわないように、V8ツインターボエンジン+小型モーターはGLS580よりもパワーがあるものの、AMG GLS 63ほど過激ではない程度に抑制されている。

走行中は前方の路面状況をスキャンし、それに応じて足回り特性を瞬時に変えていくので、乗り心地は常にフラット。高速道路からワインディング、そしてSUVならではの雪道や泥濘地、砂丘まで、あらゆる道を快適に、何事もなかったかのように乗員を目的地まで運んでくれるのだ。

車両本体価格は2729万円。国際線のファーストクラスに10~20回程乗るのと同程度で、至極の時間を毎日得られる。と考えたら……夢があると思うのだ。

 

籠島康弘=文

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