6m超のピックアップトラックが普通に街を走るアメリカも当然、デカけりゃいいってわけではない。
日本導入を切望したい、丁度いいサイズのアメリカンなSUVを集めた。
■フォード「ブロンコ・スポーツ」
昨年、カムバックが電撃発表されたブロンコ。
その際、同時に弟分のブロンコ・スポーツも発表されたのだが、こっちの方が全長172.7インチ(約4387mm)で日本向きなサイズだ。

兄貴譲りで、初代ブロンコのイメージを踏襲したスタイル。28.5インチという大径のオールテレインタイヤが標準装備されていて、見た目もクール。
エンジンは1.5Lターボと2Lターボがあり、これに8速ATが組み合わされる。4WDも兄貴同様「G.O.A.T.」機能が備わるから、砂地でも雪道でも岩場でも、つまりどんな路面でも走破できる。

しかも100種類以上のアクセサリーが用意されていて、「バイク」「スノー」「キャンプ」「ウォーター」の4つのテーマに即したオプションパッケージも選択可能。

シートバックにカラビナなどでグッズを引っかけておけるし、ラゲッジにはコンセントが備わり、車外を広く照らすリフトゲートフラッドランプを点ければ夜でもテントの設営がやりやすい……と、街乗りだけじゃなく、出掛け先でも大活躍間違いなし!
■シボレー「トレイルブレイザー」

かつて日本でも販売されていたことのあるシボレーのトレイルブレイザー。
日本での販売が中止されて以降、一時はアジアなどで展開されるモデルになり、消滅しかけていたのだが2019年に復活。
しかも日本で販売されていた時の全長4890mmよりも大幅にコンパクトな全長4407mmというボディになり、アメリカで販売されている。

見た目も、カマロを彷彿とさせるようなスポーティなデザインへと大変貌。
載せられるエンジンは1.2Lターボと1.3Lターボ、これに2WDならCVTが、4WDを選ぶと9速ATが組み合わされる。
アウトドア派グレードの「アクティブ」と、スポーティ派の「RS」があり、アクティブはグラベルでの乗り心地や走破性が高められている。

ブロンコほど凝った4WDはないが、助手席を倒せば8.5フィート(約2590mm)までのショートやセミロングボード、カヌーなどが載せられる。

またAmazonのアレクサを搭載し、車に話しかければ音楽をかけたり、オンラインショッピングも可能。むしろ街乗りならこういう機能のほうが便利かも!?
■ビュイック「アンコールGX」

ビュイックはシボレーの上位に位置づけられて展開されてきたブランド。歴史もあり、ヤナセは大正4年にキャデラックと、このビュイックからビジネスを始めたほどだ。
1980年代にはリーガルエステートワゴンや、ロードマスターなど同ブランドのアメリカンワゴンが日本でも人気があった。現在はSUV専業となっている。

シボレーのトレイルブレイザーのビュイック版がアンコールGXで、全長4354mmという丁度いいサイズのSUVだ。
エンジンやトランスミッション、4WDの設定などはトレイルブレイザーと同じ。アレクサは設定されていないが、上級ブランドゆえだろう、静粛性が高められている。

実は2019年の上海モーターショーで世界初公開され、GMと中国企業による合弁会社で中国向けモデルが製造されている。

確かに中国は今や世界で最も車が売れる国だけど、隣の日本だってアメリカに次いで世界第3位。ちょっとだけこっちに回してくれない?
■シボレー「ボルトEUV」

シボレーのボルトは、2017年に登場した電気自動車。そのSUV版が今年2月に発表された。
SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ではなくEUV(エレクトリック・ユーティリティ・ビークル)とシボレーは呼ぶ。
ボルトとは別デザインとなり、ボルトEUVのほうが約160mm長い全長4306mmで、航続可能距離は398kmだ。

デザインに新しい時代感が現れているだけでなく中身も先進的で、同社初となるハンズフリー運転支援機能が採用された。
またインテリアをよく見ると、シフトレバーがなく、スイッチ操作オンリーに。
もちろん最新の安全運転支援機能もフル装備。Amazonのアレクサも装備され、音声だけで音楽の再生や道案内などを行ってくれる。

先進性を強調するためにディズニーとのコラボCMも作られ、スター・ウォーズのXウイングやダンボと併走(向こうは飛んでるけれど)している。

こんな写真を見ると夢物語みたいだけど、アメリカでは今夏から実際販売されている。シボレーの最先端のミドルサイズEUV。これは一回乗ってみたい。
籠島康弘=文