「玄人キャンパーが選んだコスパギア」とは……
いくらコスパに優れていても、見た目が良くなければ気分はアガらない。そこで今回は少し切り口を変えて、オシャレ目線でキャンプ道具をピックアップ。
キャンプのみならずファッションに精通している玄人だからこその、粋な道具選びに注目したい。
①「プエブコ」のスチールトランク
まずは、武骨でインダストリアルな雰囲気の雑貨を展開するブランド「プエブコ」から。
「軍モノのようなステンシルが施されたプエブコのトランクは、ステッカーなどでカスタムして細かいギアを入れるのにオススメです。スチール製でそんなに重くないのも特徴。男心くすぐるデザインは、キャンプギアとマッチします」と、パーヴェイヤーズのオーナー小林さん。
表面が煤けてきたり、サビが浮いたりすれば、歴戦の道具感が増してより愛着が持てそうだ。

パーク代表 小林宏明さん(40歳)
キャンプ歴約20年。趣味である旅行やアウトドアの経験を生かし、2017年に群馬県桐生市に旅のコンセプトショップ「パーヴェイヤーズ」をオープン。2021年には、ブルワリー&カフェレストランを併設。
②「ムラコ」のポール

家族とキャンプへ行くことが多いというアウターリミッツの吉田さんは、ムラコのオールブラックのポールを愛用。スタイリッシュな見た目はさることながら、機能的であることも魅力だという。
「キャンプのときはもちろん、子供たちが庭でプール遊びをするときはタープを張ってあげることが多いので、家でもよく活用しています。4節に分割されたポールがコードで結ばれているので、素早い組立ができるのがオススメのポイントです」。
素材には、マグネシウムを多く含んだアルミニウム合金を採用。

アウターリミッツ 海外事業&PRシニアマネージャー 吉田 聖さん(41歳)
キャンプ歴約20年。ナイジェル・ケーボンの運営、フィルソンなどの海外ブランドの日本総代理店を務めるアウターリミッツのキーマン。二児のパパとしてキャンプで家族をもてなす際は、テキサス仕込みのBBQとタコスを振舞う。
③「ジャック・ウルフスキン」のビーチシェルター

ファッションブランドのPRを手掛ける辻井さんは、ドイツ発のブランドをセレクト。
「デイキャンプのときはもちろん、メインテントとは別にサブテントとして物置きや昼寝スペースとして活用しています。通常のポップアップテントと違ってポールを3本使用するため風にも強く、本気キャンプからカジュアルなピクニックまで幅広く対応してくれます。シンプルなデザインもいいですね」。
用途や天候に合わせて、出入り口は開閉可能。紫外線カットや防水性を備えたポリエステル生地を採用しており、機能性も十分だ。

ボルシチPR代表 辻井国裕さん(45歳)
キャンプ歴8年。国内外のブランドを取り扱うフリーランスPR。キャンプは登山や自転車とセットで楽しむことが多く、バックパックに詰め込めるような、ソロで使えるコンパクトなアイテムにこだわりを持つ。
④「ワットノット」のマルチケース

オーシャンズ Web編集長・原が「何かと便利」と信頼を寄せるポーチ。
「お手軽だし汎用性も高いので、僕はランタンもバーナーもCB缶燃料に統一しています。このマルチケースは中に間仕切りがあるのでCB缶を収納するのに最適。シングルバーナーやトーチバーナーもまとめて入れています」。
周囲にウェビングテープが備わり、フロント側にはポケットもアリ。間仕切りはマジックテープで取り外せ、使わないときはファスナーを全部開いてバラし、ぺたんこにもできる。シブいアースカラーはキャンプにも馴染む。

オーシャンズウェブ編集長 原 亮太(42歳)
キャンプ歴6年。息子の教育にも良いかと始めたキャンプ。バリバリのファッション街道を歩んできたが、少しずつアウトドア志向になり、最近ではステイホームを充実させるべく庭の家庭菜園にも熱を上げている。
⑤「MPI」のオールウェザーブランケット

ディッセンバーの菊池さんのイチオシは、長年愛用しているオールウェザーブランケット。現在流通している「グラバー(GRABBER)」の前身となる「MPI」時代のものだ。
「もとはNASAが開発した、4層からなるレジャーシート。見た目は単なるシートですが、いざとなったらタープとしても寝具としても利用可能。
グラバーの同アイテムは、現在3960円で入手可能。これひとつで、いろんな使い方ができて、かつ長く使えるとなれば、コスパはかなり高そうだ。

ディッセンバー 代表 菊池大二郎さん(47歳)
キャンプ歴40年。山形と目黒に店を構える名店「ディッセンバー」を経営。レトロなアウトドアギアのセレクトセンス、ローテクなオリジナルギアに定評あり。
⑥「モーラナイフ」のナイフキット

デザイナーの山沢さんがアウトドアシーンで首から下げているのは、ネックレスではなく小型のナイフ。
「かなり小ぶりなナイフですが、手持ち感が良いので簡単な調理から小枝のカットまで幅広く使用。ファイヤースターターが付属しているので、ライターがなくてもこれで火熾しもできます。ブレードはステンレスで錆に強く、シースも良い意味でプラスチックですから衛生に保つことができます」。
上の写真のように、カバーケースがシンプルでクールなデザインなのもいい。

テイクアンドサンズ デザイナー 山沢岳史さん
キャンプ歴35年。少年時代のボーイスカウトで自然に魅せられ、今では自然にマッチするヘビーデューティーな服を作ることがライフワークに。時間を見つけては愛車のディフェンダーを駆って山へ行き、夏はテンカラ、冬は狩猟を嗜む。
◇
どれも自然に溶け込むようなシンプルなデザインが特徴であることに気がつく。オシャレに感じるのは、きっとその見た目以上に洗練された機能美が秘められているからかもしれない。
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鈴木純平=取材・文