“背負えるボート”パックラフトで川に浮くまでの10分間。セッ...の画像はこちら >>

「Camp Gear Note」とは……

キャンプブームを受け、+αで遊べる折り畳み式ポータブルボート「パックラフト」の注目度が高まっている。

本体とパドルなど必要な道具一式がバックパックにすべて収まってしまうほど、コンパクトで手軽なことが魅力の新しい遊び道具だ。

詳しい構造やタイプについては前回の記事のとおりだが、ここでは実際に水に浮かべるまでの手順を追ってみよう。


収納サイズは背負えるほどコンパクト

“背負えるボート”パックラフトで川に浮くまでの10分間。セットのポイントも解説!
必要な道具一式でこのコンパクトさ!

まず、これがパックラフト道具一式+着替えや飲み物などをバックパックに納めた状態。

通常のカヤックやカヌー、SUPなどの大きさを知っている方にとっては、これがいかに小さいかがよくわかるだろう。

バックパックのサイズは40Lで、何かを詰めようと思えばまだまだ入れられる余裕があるほど。車がなくても、電車やバス、自転車での移動も苦にならないサイズ感だ。

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しっかり丸めれば、もうひと回り小さくなる。

本体のみだと、だいたい写真くらいの大きさ。このモデルは少し生地がしっかりしたタイプなので5kg少々あるが、軽量性に特化したモデルは2.5kgほどのものもある。

岩にこすれることもある川下りではなく、湖で浮かべて使うならば軽さとコンパクトさで選んでも良いだろう。奥さんに黙って買っても車の片隅に隠しておけるほど、収納場所も省スペースで済む。

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ライフジャケット、パドルは必須。防水バッグ、ヘルメットもあるとベター。

本体以外に用意すべきは、ライフジャケットとパドルのふたつ。浅い場所でも気を抜かず、ライフジャケットは必ず着用すること。パドルは分割できてコンパクトになるものを選ぼう。

川で乗るならば、万が一に備えてヘルメットが必須。

防水バッグもしっかりとしたものを用意しよう。着替えなどの荷物を濡らさずに済み、万一水に落としてしまっても浮くので回収しやすい。

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長袖+海パン+ネオプレーン素材のタイツが便利。

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脱げないサンダルかウォーターシューズが使いやすい。

服装は濡れても良い格好ならなんでもOKだが、濡れると重たくなるコットン製のウェアは避け、乾きやすい化繊のウェアや風除けにシェルを着るのが快適だ。長袖+タイツを着て、照り返しによる日焼けを防ぐとベター。

足元は水に入っても脱げないものを選ぶ。ビーチサンダルはNG。シューズは水抜けの良いものならスニーカーでもいい。防水透湿性素材を使ったシューズは、逆に入った水が抜けないので避けよう。


コツをつかめば5分で出艇準備完了!

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[写真左上から時計回りに]慣れると空気を効率よく集められるようになる。

では、いざ膨らませてみるとしよう。

大半のモデルには大きなナイロン袋が付属している。形状はさまざまだが、使い方と仕組みはどれも同じで、袋を本体に接続して集めた空気を送り込むポンプの役割を果たしてくれる優れものだ。

慣れれば、5分もあれば空気入れは完了。

電動のブロワーを使えば、さらに作業は楽になる。

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全体に水をかけて冷やすイメージで。

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最後のトドメは口で膨らませる。

膨らませたら、いざ出発!と行きたくなるが、出発前にもうひと行程。

パンパンに膨らませたつもりでも、船を水に浮かべると内部の空気が冷やされて少し萎んでくる。そこで、船全体に水をかけてわざと冷やし、萎ませてから空気を入れ直すという作業を行う。

これで準備完了。船をバックパックから出してここまで、慣れれば10分ほどあれば十分だ。

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フィールドをディグるのも、パックラフトの楽しみのひとつ。

初めて乗る場合は、誰か経験者に同行してもらうかスクールに入ると安全かつ上達が早い。

いきなり流れがある川は危険なので、初めは湖や池で操船方法を身につけたい。また、風に弱い乗り物なので、風が強い日の池や湖での使用は避けよう。

また、万が一に備えて2人以上で行動することを基本にしたい。川下りに挑戦する場合は、さらにナイフやレスキュー用のフローティングロープなど、用意すべき道具が増えるので徐々にステップアップしながら揃えていくといいだろう。

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池では乗り降りにさえ気をつければ、あとは初めてでものんびり楽しめる。

何はともあれ、まずはただボーッと浮かんでいるだけでも気持ちが良い。

夏から秋へと季節が移り変わっていく様を、水の上からのんびり眺める時間は格別だ。ぜひ、この極上の時間を体験してみていただきたい。

「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る

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池田 圭=文・写真

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