「人気ショップのゲキ推し注目株」とは……

服好きの間では、この店の新作チェックが各シーズンはじまりの恒例行事となっている。そう……青山の裏路地にある名店、レショップだ。

コンセプターの金子恵治さんがセレクトした名品やディレクションに関わったアイテムの数々は、どれも深いこだわりとエピソードが満載。今季はいったいどんな出合いがあるのか。期待を胸に、いざ!


訪れたお店は……

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レショップ 青山店
住所:東京都港区南青山3-17-3 1F
電話:03-5413-4714
営業:11:00~20:00
不定休
https://lechoppe.jp/


「本格派」を金子流にアレンジした新作トレンチ2種

――すいませ~ん。

渡邉 いらっしゃいませ。

案内してくれたのは……

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渡邉浩貴さん(レショップ 青山店 スタッフ)●ヒゲ&パーマに癒やしスマイルがトレードマーク。ついこの前まで20代だったと思えぬ落ち着いた口調から語られるブランドの背景やアイテムの魅力に誰もが聞き入り、思わず財布の紐が緩むとか。

――OC世代に似合うアウターを探しに来たのですが、なにかオススメはありますか?

渡邉 承知しました。それでしたら、こちらのトレンチコートはいかがでしょうか。

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左●「トラディッショナルトレンチコート」9万9000円、右●「モダナイズトレンチコート」8万9100円/ともにエルイー(レショップ 青山店 03-5413-4714)

――いいですね~トレンチ……ん? その2着、微妙にデザインが違いません?

渡邉 そうなんです。向かって左側の方は、昨年大好評だったエルイーのバルカラーコートをベースに製作しています。

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――エルイーのバルカラーコート。

渡邉 もともとレショップコンセプターの金子が持っていた英国の名門ブランドのフランス製バルカラーコートをベースに作ったものです。

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――ほうほう。

渡邉 そのパターンを踏襲し、一般的なトレンチコートのディテールを削ぎ落としました。一枚袖で肩傾斜を強めにつけ、アームも太めに設定しているので、中にジャケットを着てもゴワつきません。

撥水加工を施しているので、雨の日も安心です。

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――ガンパッチもエポーレットも見当たらないけど、風情はトレンチそのもの。


着用イメージは……

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渡邉 古着に見られるような肩のカクカクが苦手、なんて人もはいいかもしれませんね。

――もう一方はクラシックな面持ち!

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渡邉 デザイナーの私物の古着を元に、“ならでは”な縦長の印象も含め、トレンチコートらしさを残したいというアプローチで製作しました。しかし肩に傾斜があって着やすく、生地も撥水加工を施したフェザーコットンを使っているので多少の雨でも大丈夫です。


着用イメージは……

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――クラシックタイプもやっぱりいい。合わせるとしたらニットでしょうか?

渡邉 ニットもよろしいかと思います。例えば、こんなカーディガンとのマッチアップはどうでしょう。


ジョンスメドレーとトリプルコラボなカーディガン

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「カーディガン」4万2900円/5525ギャラリー×ジョンスメドレー×レショップ(レショップ 青山店 03-5413-4714)

――ジョンスメドレー!……ってこれ、本当に“ジョンスメ”ですか?

渡邉 ジョンスメドレーへの別注アイテムになります。今回は日本のモノ作りを世界へと発信すべく、さまざまなブランドと協業している5525ギャラリーにも入っていただきトリプルネームで製作しました。

――だから新鮮に見えたんですね。クルーネックのカーディガンは見たことがなかったので。

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渡邉 そうですね。おそらく、ジョンスメドレーのコレクションではまずない形だと思います。金子が以前、レディスのお店で働いていたことがありまして。

その頃、目にしたとあるブランドのカーディガンをいたく気に入ったらしいのです。

――ふむふむ。

渡邉 ただ、レディスのみの展開でしたから着ることも叶わず。そこで、当時の記憶を頼りに作り上げたのがこちらです。今回は大きめに作り、ボタンの開け方により印象を変えられるようにしています。

――生地はジョンスメドレー?

業界人も御用達「レショップ」に行ったら、冬の洒落服が大漁だった

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渡邉 はい。24ゲージの厚みのある生地を使っていますので、カーディガンながら安心感や頼もしさは感じていただけると思います。肩をややドロップさせたゆとりのあるシルエットなので、シャツやタートルネックとのアンサンブルもよろしいかと思います。

――しかもこのタグ……。

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渡邉 そうなんです。普段でしたら、ジョンスメさんはもう名門中の名門なので、タグなどを特別に作らせてもらうことはありません。ですが、今回は特別に作ってもらいました。

――貴重! 確かにタートルネックとのアンサンブルも良さそうですよね。続いては?

渡邉 はい、エカッションパーソネルのパーカです。

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「スウェットフーディ」各2万8600円/ともにエカッションパーソネル(レショップ 青山店 03-5413-4714)

――エカッションパーソネル?

渡邉 今年の秋冬に復活したブランドで、デザイナーは金子の大先輩なんです。

――このパーカ、フードが面白いですね。微妙にアシンメトリーになってる。

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渡邉 軍のトレーニングウェアなどで使われていたミリタリーパーカの原型となったものがベースなので、ドローコードも向かって左は内側に付いていて、逆は外側に付いています。しかも、フードが立つように身頃と接合する部分の幅を広げているんですよ。

――おー、こだわりがすごい!

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渡邉 着心地はカシミアを目指し、旧式の吊り編み機でかなり柔らかく織っています。洗いを繰り返すことで生地が収縮し、自分の体にフィットしていくんです。脇下にリブをつけ、縫い目が肌にさほど干渉しないフラットシーマ製法を採用するなど、ディテールにもひとつひとつ意味を持たせています。

――タッチがもうたまりませんね……! スウェットやパーカは何にでも合わせやすいので、毎シーズン買っちゃいますよね。

渡邉 であれば、こちらのアイテムも気に入っていただけるのではないでしょうか。


頼もしいサイズバリエーション。無地スウェットはこれで決まり!

渡邉 エルイーのスウェットシャツとパーカになります。

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左●「ワイドパーカー」2万900円、右●「ワイドスウェット」1万9800円/ともにエルイー(レショップ 青山店 03-5413-4714)

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――エルイーといえば、身幅、着丈のサイズバリエーションですよね。

渡邉 そうですね。各色とも身幅が4サイズ、着丈が3サイズの12パターンで展開しています。これはもうエルイーの特徴ですね。ベーシックなものほどサイズ感のこだわりはより強いと思うので、理想に近いアイテムを手に取ってもらえるようこのような提案をさせていただいております。

――スウェットは去年も作っていましたよね?

業界人も御用達「レショップ」に行ったら、冬の洒落服が大漁だった

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渡邉 昨年もブラックで展開していましたが、生地はまったくの別物です。前作は非常に柔らかい生地で仕上げましたが、今回は古着のような感じをイメージしました。程よい柔らかさがありつつ、ガシッという質感も感じられる。色は生成り、グレー、深いネイビーの3色を用意しています。

――どれも甲乙つけがたいですね!

 

渡邉 実は、もうひとつとっておきがあるんです。

――んっ?

渡邉 こちらです!

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「バルカラーコート」各6万9300円/バブアー×レショップ(レショップ 青山店 03-5413-4714)

――バブアー!

渡邉 別注作で、形から作らせてもらいました。エルイーのバルカラーコートのレインコート版を作りたいね、ということで、「レインコートといえばバブアーでしょ!」とお声がけし、快諾していただきました。

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業界人も御用達「レショップ」に行ったら、冬の洒落服が大漁だった

――まるで昔からあったかのように違和感がない。


着用イメージは……

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渡邉 そうですね。形自体はウチのバルカラーコートで、生地や色味、ライナーなどは定番ものを使わせていただいています。今だとオイルもニオイが気にならず、ベタつきもありませんので、このように提案もしやすくなっているのかな、と思います。

――ちょっと待って、全部いい。ああ、また財布が軽くなっていく……。


未公開シーンはコチラから!

 

案の定、あるわあるわ我々オーシャンズ世代を触発するアイテムが。おそらくこのタイミングで手に入れておかないと、同じものは二度と手に入らないに違いない。気になった人は、いの一番に店舗へ行くことをおすすめします。

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佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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