専門家顔負けの知識を持つ森山真司さんは 幅広いジャンルの時計に関心を寄せているという。
「子供の頃から興味があって、父親の時計をいじりすぎて壊してしまったり、映画の小道具として使われたモデルを熱心に調べていたことが原体験になっています」。
現在、森山さんが所有している数々の時計のなかでも、クオーツはとりわけ個性的な顔ぶれが揃っている。
「基本的にはクロノグラフのような、メカメカしい時計が好きなんです。デジタルの多機能時計もそれに当てはまると思います。特に防水性に不安のあるヴィンテージウォッチはデイリーに愛用しづらいので、夏場や雨の日に活躍してくれます」。
時刻を知ること以上に時計に求めているのは、ガジェットとしての面白さにあると森山さんは言う。
この日の服装に合わせたセイコー×ジウジアーロ・デザインの「SBJG007」は、セットアップの色みに馴染むことがセレクトの理由に挙がる。

「時計選びに厳密なルールは設けてないのですが、大小問わず極端なサイズ、手持ちの服の色みに合わない色の時計は選ばないかもしれません。多機能時計はひと癖あるデザインが多いと思いますが、そこを逆手に取って着こなしに取り入れるのが面白いんじゃないかな。
ファッションは“ハズしが重要”って言いますよね。時計なら悪目立ちすることもないので、良い塩梅かなと」。
森山さんの愛用時計を一挙公開!

カシオの「漢字データーバンク(左)」と「タッチスクリーンデーターバンク(右)」
「データーバンク」は多機能時計の先駆け的存在。「漢字辞典や電話帳、名刺管理機能など、ユニークな機能がたくさん搭載されていて、そんなところが無性に好きですね」。

セイコー × ジウジアーロ・デザインの「SCED003(左)」と「SCED035(右)」
『エイリアン2』で使われていたジウジアーロ・デザインのアナログクオーツ。この復刻モデルはムーブメントが異なるため、オリジナルに対して若干ディテールが変更されている。

Gショックの「DW-5700-1JF」
こちらはスティングが愛用していたことで知られる輸出用Gショックを、2001年に復刻し、国内で発売されたモデル。「自宅で毎日着けている僕にとって肌着のような時計です」。

シチズンの「アナデジテンプ」
1982年に登場し、大ヒットを飛ばしたクオーツウォッチの金字塔。こちらは貴重なオリジナル。クロノグラフ、アラーム、カレンダー、温度を測るセンサー機能を搭載する。
品田健人=写真 戸叶庸之=取材・文