「弊社の看板娘」とは……
今回、向かったのは川崎市にある「富士通スタジアム川崎」。日本アメフト界の最高峰、Xリーグ1部の試合を観戦するのが目的だ。

僕が応援するのはIBMのほうで、アメリカ人QBのケビン・クラフト氏がヘッドコーチを務めている。
約束の時間まではまだ少し余裕がある。スタジアムの外をうろうろ歩いていると売店らしきものを発見。


ギャラリーは閉鎖していたが、写真だけ撮らせてもらう。
というわけで、時間だ。看板娘にご登場いただこう。
看板娘、登場

こちらは、山口佳夏(かな)さん。「ビッグ ブルー チアリーダーズ(BIG BLUE CHEERLEADERS)」の一員だ。
ところで、現在は13時半。試合開始は17時なのに、こんなに早くからスタジアムに入るんですか?
「応援の際に使うボードやハリセンをトラックから出して仕分けしたり、いろいろと準備があるんですよ。さらに、ヘアメイク、着替え、体を温めるためのウォーミングアップ、トレーナーによる体のメンテナンスなどをやっているとあっという間に3時間半ぐらいかかります」。
とても丁寧な言葉遣いをする人だ。
さて、近くの喫茶店で休憩したのち、17時にスタジアムに戻る。いよいよ、試合が始まった。

見ていると応援には一定のスタイルがあるようだ。


ところで、チアはハーフタイムとかにだけ出てくるのかと思っていたら、2時間以上かかる試合中はワンプレイ、ワンプレイの間にずっとパフォーマンスを続けるのだ。しかも、苦しい表情は見せられない。
あとで、佳夏さんに聞いてみた。
「試合後は背中が曲がってしまうぐらいボロボロになるときもあります。
アメフトではチアもひとりの選手という捉え方をするそうだ。プレイの合間にパフォーマンスをして観客を楽しませる。

試合は途中まで劣勢だったが、ディフェンスのときに得点を取るタイミングが到来。そこから一気に流れが変わり、見事な逆転勝利を納めた。
スタジアムの外に出ると、美味しそうなフードを販売するキッチンカーが並んでいた。

なお、チアリーダーは皆、別に本業を持っている。佳夏さんは株式会社システナというIT企業でITサービスのアウトソーシングに関する業務を行う。役職者の主任として複数のプロジェクトをマネジメントしつつ、ITトレーナーとして、社内外のITスキルアップ研修の講師も担当しており、現在は「マネジメント強化」をテーマにした社内研修の講師として後進の育成にも力を入れている。
会社の写真を見せてくれた。


さて、佳夏さんを推薦してくれたのは「マネジメント強化」研修で一緒に講師を務めている須藤百合香さん。

「挑戦心を持って果敢に挑戦する姿はかっこいいんですが、一方で親しみやすい気さくな一面も。そんなギャップが素敵な方です。仕事で壁にぶち当たったときも、『大丈夫!!』と明るく励ましてくれたことが何度もあります」。


「アメリカ時代にミュージカルが好きになり、中でもダンスにいちばん惹かれたのは『キャッツ』。そうした経験が今のチア活動につながっています」。
海も大好きで、下の写真は昨年夏にBIG BLUE後援会会長・田崎 慎さんが所有する船でチア仲間と海釣りに行ったときのもの。


「2019年の試合では、オープニングとハーフタイムにキッズチアリーダーたちと一緒にフィールドで踊りました」。

そんなIBM BIG BLUEの今シーズンは準決勝敗退で幕を閉じた。しかし、「パールボウル2016」では見事、優勝を果たしている。来シーズンに期待したい。「Go! BIG BLUE!」。

今回の取材もいい話がたくさん聞けた。チアにも仕事にも全力投球の佳夏さん。最後に読者へのメッセージをお願いします。

【取材協力】
IBM BIG BLUE
www.bigblue-football.com
システナ
www.systena.co.jp
飲食店で働く166人の“看板娘”をご紹介してきた連載がリニューアル。さまざまな企業や団体で働く女性にフォーカスする題して「弊社の看板娘」。仕事内容やプライベートについて鋭く切り込むとともに、「この人と一緒に働いて楽しい」と思っている推薦人にもご登場いただく。
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石原たきび=取材・文