2011年に“くそバンド”を自称してデビューしたロックバンド「忘れらんねえよ」の4枚目のシングル『僕らパンクロックで生きていくんだ』が、6月12日にリリースされた。デビュー時には、ボーカルの柴田隆浩が「三十路にして童貞」であることを明かし、情けない男の心情を歌ってきた彼らだが、今年“へたれ”であることに別れを告げるという。
6月12日発売の『クイック・ジャパン』vol.108で、柴田はそのあたりの事情を、こう説明している。

「自分らで蒔いた種ではあるんだけど、僕らの活動は『イロモノバンドと見られる』誤解と戦う歴史だったんですよね。それが昨年のカウントダウンジャパンで大トリをやらせてもらって、いいライブができたなと感じた頃から、状況が変わってきた。前作『この高鳴りをなんと呼ぶ』も変化のきっかけで、言葉を執拗なまでに追求しだしたんです。そしたら下ネタとか、おもしろ歌詞っていうのが結果として無くなって」

「今は作為を抜いた純粋なものしか広まっていかないっていう確信がある」と、決断の理由を語る柴田。しかし強い覚悟の背景には、今年32歳を迎える彼の身体の変化もあったようだ。

「驚くほど性欲が無くなったんです。昨年3か月間オナニーを禁止していたんでそれが原因かもしれないですけど。実は僕、オナ禁は奇跡を起こす魔法じゃないかと思っていて。高校生のときにオナ禁したら、未練があった元カノに告白されたり、思いが叶ったんです。ただ、必然的なオナ禁じゃないと効果がない。これは音楽も一緒で、純粋じゃないとダメ」

そんな柴田は、ツイッターでのエゴサーチを3分に1度行ってほとんどすべてに返信し、リスナーとアツい交流を行なっている。

最新シングルは、ジャケットに福島県の女子高校生3人組から送れた写真を採用。“へたれ”を捨てた彼らは、「くだらない曲が溢れる音楽会を正しく整理したい」と言い切っている。

◆『クイック・ジャパン』vol.108(2013年6月12日発売/太田出版)

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