「自分らで蒔いた種ではあるんだけど、僕らの活動は『イロモノバンドと見られる』誤解と戦う歴史だったんですよね。それが昨年のカウントダウンジャパンで大トリをやらせてもらって、いいライブができたなと感じた頃から、状況が変わってきた。前作『この高鳴りをなんと呼ぶ』も変化のきっかけで、言葉を執拗なまでに追求しだしたんです。そしたら下ネタとか、おもしろ歌詞っていうのが結果として無くなって」
「今は作為を抜いた純粋なものしか広まっていかないっていう確信がある」と、決断の理由を語る柴田。しかし強い覚悟の背景には、今年32歳を迎える彼の身体の変化もあったようだ。
「驚くほど性欲が無くなったんです。昨年3か月間オナニーを禁止していたんでそれが原因かもしれないですけど。実は僕、オナ禁は奇跡を起こす魔法じゃないかと思っていて。高校生のときにオナ禁したら、未練があった元カノに告白されたり、思いが叶ったんです。ただ、必然的なオナ禁じゃないと効果がない。これは音楽も一緒で、純粋じゃないとダメ」
そんな柴田は、ツイッターでのエゴサーチを3分に1度行ってほとんどすべてに返信し、リスナーとアツい交流を行なっている。
◆『クイック・ジャパン』vol.108(2013年6月12日発売/太田出版)