『タモリ』(1977年)
ミュージシャン・タモリの記念すべきファーストアルバム。伝家の宝刀「4か国語麻雀」や「ハナモゲラ」を惜しみなく披露しており、「“同”パート4~アフリカ民族音楽“ソバヤ”」ではジャズ界の巨匠・山下洋輔がピアノ、坂田明がサックスをそれぞれ演奏している。「4か国語麻雀」は、毛沢東風中国人・マッカーサー風アメリカ人・ヒトラー風ドイツ人・寺山修司風日本人のモノマネ。ちなみに寺山修司のモノマネは、同アルバムのジャケットを撮影している写真家・浅井慎平直伝だ。
『タモリ2』(1978年)
「恐怖の密室芸人」の名を欲しいままにした初期タモリのセカンドアルバム。LPのA面は、中洲産業大学芸術学部西洋音楽理論の森田一義助教授による講座という設定で展開。ジャズのスタンダード曲である「A列車で行こう」やボサノバの名曲「レッド・ブラウス」を遠慮なく、かつ秀逸にパロディ化しているその音楽的造詣の深さには脱帽だ。B面収録のお料理教室「きょうのお料理『ハナモコシのシェネ地中海風』」では、材料を切るためにチェーンソーまで登場。もうやりたい放題だ。
『タモリ3-戦後日本歌謡史-』(1981年)
昭和21年から55年までの代表曲を片っ端から大胆にパロディ化。笠置シヅ子の「東京ブギウギ」やサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」など多くの名曲にタモリ的アレンジが加えられている必笑名盤。
◆ケトル VOL.16(2013年12月14日発売)