1968年から2009年まで放送された「木曜洋画劇場」ですが、歴代視聴率1位は、1979年1月25日放送の『エマニエル夫人』。フランスの外交官の妻であるエマニエル夫人が、夫の赴任先のタイで“性”の世界にのめり込んでいく様子を描いた官能映画です。
しかし「木曜洋画劇場」といえば、放送は家族団らんの真っ最中である21時。それにも関わらず、おっぱい丸出しでエッチシーンがありまくる『エマニエル夫人』は、何と22.5%という驚異的な視聴率を記録しました。内容的には18禁でもおかしくない作品なのに、その過激さを宣伝に出さず、「世界的に大ヒットした芸術映画」と謳ったことが功を奏したのです。
結果として、「これはあくまで芸術だから!」と言い訳しながら、国民のおよそ4人に1人がエマニエル夫人による性の冒険に熱中した計算。ちなみに、『エマニエル夫人』が記録した22.5%という数字は、テレビ東京の歴代番組すべての視聴率ランキングでも10位に入っています。
◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)