「あの日、私はオフでエステに行ってて。終わったあとスマホを見たら、ふつうかかってくるはずのない時間にお母さんから着信があって。そのあと藤井(ユーイチ校長)さんと(星名)美怜ちゃんからも連絡が来てて、なんだろう、誰か何かやらかしたのかな、美怜ちゃんだから文春か? またか、怒るぞって一瞬思ったんですけど(笑)。そしたら、お母さんからのLINEに『今朝方亡くなった』って書いてあって。
(中略)亡くなってから2日後ぐらいに会いに行ったときはまだ実感が湧かなくて。莉奈と対面した時も『なんで寝てんのよ松野!』ぐらいの感じで。2~3日経って、やっと実感が湧いてきて。で、告別式で最後に棺桶が閉まっちゃうときにはワーッときたけど、それが終わったあと、また夢のようだなと思って」
なかなか実感が湧かず、「ただただ家でボーっとしてました」「あの1週間の記憶はあんまりないですね」という真山。しかし大事なメンバーとの別れは、真山に大きな変化を与えたようだ。
「私、ずっと50歳で死にたかったんですけど、これは死ねないな、ダメだなと思いました。50歳ぐらいだったらまだ周りで傷つく人、たくさんいるだろうなって。
辛い経験を経た彼女たちだが、4月22日からは春ツアー『今、君とここにいる』が始まった。「家に帰っても松野の載ってる雑誌とか見ちゃいますよね。会いたくてしょうがないんですよ」と語る真山だが、
「私たちはステージに立ってみなさんに感謝と力をお届けする立場だから、ファンの人の前では絶対に弱音は吐かないし、いましょげてる人たちはライブに来てもらって、私たちのパワーを全部持ってってくれればいいなと思います。ずっとライブがしたくてしょうがなくて、楽しいライブがしたい」
と、気合は十分。「姿かたちは見えなくても8人は8人」というエビ中からは、今後も目が離せなさそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.131(2017年4月24日発売/太田出版)