それぞれ一癖も二癖もある先生たちですが、ここで注目したいのは園長先生。いつもサングラスを掛けており、ヤクザ風の見た目をしていることで、しんのすけに「組長」というあだ名を付けられています。
しかし、実際は自ら幼稚園のバスを運転して生徒の送り迎えに立ち会うほど子供好きで、「組長」と呼ばれることを悲しく思っています。それなら、せめてサングラスを外したら……と言いたいところですが、外した顔はもっと怖く、妻どころか自分自身ですら鏡を見て驚いたことがあるほど。では、そんな園長先生はなぜ幼稚園を設立することになったのでしょうか?
若い頃、大学に通うために上京した園長先生は、怖い顔のため周囲に避けられ落ち込んでいました。「新しい土地でやっていけるだろうか……」。そう思い悩んでいたとき、ひとりの男の子が優しく接してくれます。
「ぼうやはお兄さんのこと恐くないの?」
「平気だよ、だって優しそうだから」
見た目で人を差別しない子供の純粋さに触れ、「子供たちの役に立ちたい」と現在の仕事に就く決心をしたのです(原作39巻)。この上京時の経験は園長先生にとってよほど印象的だったようで、幼稚園では自身の「上京記念日」が休園日となっています。
このように根が優しい人物であるため、「組長」と呼ばれながらも園児、先生の両方から慕われている園長先生。アニメシリーズでも愛されキャラであり、2000年には「戦えエンチョーマン!」なるショートアニメも放映されました。