今やインド国内では仏教よりも信者の多いヒンドゥー教。その信者の数はインド国民の約8割を占めています。
2024年1月に発売された『図解でわかる 14歳から知るインド・中国の宗教と文化』(山折哲雄・監修、インフォビジュアル研究所/大角修・著)には、古代インドと古代中国について分かりやすくまとめられた記事が満載。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。(全6回)
ヒンドゥー教の誕生
「ヒンドゥー」はペルシャ語で「川」を意味し、インダス川の流域に生まれたインダス文明が起源です。
ヒンドゥー教は仏陀が誕生したのと同じ時期にバラモン教から発達し始めました。
その頃はウパニシャッド哲学によって、人間や季節の変化などの宇宙全体の原理が3つの神の働きとして整理されました。それが下図の三大神です。

ヒンドゥー教の基本
ヒンドゥー教の基本は次の考え方です。
ブラフマー……宇宙の本質は清浄である。それをブラフマン(梵)といい、神の名ではブラフマー(梵天)といいます。
転生(サンサーラ)……人間にはアートマン(我 )という霊魂のようなものがあり、この世のカルマ(行為)、すなわち業の結果として輪廻転生する。
解脱(モークシャ)……アートマンが輪廻転生するうちは苦しみがつきまとう。この
世で少しでも善行を積み、来世にはよりよい境遇に生まれ、さらに善行を積んで、輪廻からの解放、すなわち解脱を願います。
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本書では、世界史を創った2大文明の基礎である仏教/ヒンドゥー教/道教/儒教を古代までさかのぼり分かりやすくまとめています。「世界の宗教と文化」シリーズ第3弾『図解でわかる 14歳から知るキリスト教』(山折哲雄・監修、インフォビジュアル研究所/大角修・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
Credit: 山折哲雄・監修、インフォビジュアル研究所/大角修・著