マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を巡り、全国保険医団体連合会(保団連)が実施した実態調査で、県内では回答した75医療機関で38件のトラブルが確認されたことが分かった。保険資格が確認できずに医療費の10割負担をいったん求めた事例も2機関10件あった。
県保険医協会や県社会保障推進協議会など6団体でつくる「保険証廃止反対県連絡会」が16日に発表した。(社会部・下里潤)
 調査は、昨年10月~今年1月に実施。対象は会員の県内346医療機関で、回答率は21・7%だった。
 具体的なトラブルを複数回答で聞いたところ、「資格情報の無効がある」が最多の20件、次いで「名前や住所でエラーが表記される」19件、「該当の被保険者番号がない」9件、「名前や住所の間違い」8件と続いた。

 トラブルへの対応(複数回答)は「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした」が32件、「保険者に連絡して相談した」8件、「前回来院時の情報を基に対応した」6件などだった。
 県庁記者クラブで会見した県保険医協会の高嶺朝広会長は、全国のマイナ保険証利用率は昨年12月時点で4・29%だったとし、「沖縄はカード交付率が全国で最も低いため、利用率はさらに低いだろう。
この状況でもトラブルが相次いでおり、政府の総点検は何だったのか」と疑問視した。
 その上で「政府が進める通り、今年12月に現行の健康保険証が廃止になれば、10割負担の事例はもっと増える。冬場は新型コロナインフルエンザの患者が増える時期でもあり、医療現場が混乱するのは目に見えている」と語気を強めた。
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マイナ保険証トラブル、交付率の低い沖縄でも38件 「医療費10割負担」は10件 昨年10月~今年1月 県内調査
マイナ保険証を巡る主なトラブル