【糸満】糸満市議会(金城寛議長)は27日未明の3月定例会最終本会議で、市が提出した2024年度一般会計予算案(約329億623万円)と野党市議らが提出した修正案(約320億3923万円)をいずれも否決した。市は4月以降、暫定予算を編成する。
市によると、市議会の反対により暫定予算を編成するのは2007年の3月定例会以来。 
 暫定予算は、年度開始までに予算が議決される見込みがない場合に地方自治体の首長が提案する一定期間の予算。市によると、今回の暫定予算は6~7月ごろまでを想定し、直ちに市民生活に影響が出ない予算項目は計上を先送りする場合がある。
 最終本会議は26日午前10時過ぎに始まり、大田守氏(無所属)ら野党・中立系市議計8人と、賀数郁美氏(同)ら2人が、それぞれ市の原案に対する修正案を提出した。同日午後8時50分ごろ、修正案の採決があり、大田氏らの修正案は賛成多数(賛成10、反対9)で可決。賀数氏らの修正案は賛成少数(賛成2、反対17)で否決された。

 同市議会(定数21)は、与党7、中立4、野党9。この日は野党の1人が欠席し、議長を除く19人が採決した。
 大田氏らは「市の原案は支出が多過ぎる」と批判。修正案では、計画中の南部病院跡地に建設予定の福祉施設の設計費、市立高嶺小学校の基本設計委託費、西崎運動公園のブルペン整備費などを削除した。
 その後、市が、修正案の議決に異議があるとして審議のやり直し(再議)を申し出た。再議は、地方自治法が定める再議の可決に必要な3分の2以上の賛成に届かず、否決となった。
原案も賛成少数(賛成9、反対10)で否決されたため、市が暫定予算を策定することになった。
 最終本会議は質疑や討論で与野党が対立して紛糾し、翌27日の午前4時50分ごろ終了した。
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