映画には、児童の集中力を尊重して始業・終業のチャイムをなくした長野県の伊那小や、校則を廃止し、生徒総会で決めたことは全て実現する東京都の桜丘中など、4都県の校長7人が登場。子どもたちが生き生きと学ぶ姿を紹介した。
後半は、映画に出演した神奈川県の香川小の元校長國分一哉さん(62)とうるま市立赤道小の城間修司校長(56)が通知表を廃止した経緯や成果を報告した。
國分さんは成績の良しあしが子どもたちの人間関係に影響して「見えない序列」が生まれていたと指摘。通知表をなくしてから、ある児童は「クラスのみんなが僕の言うことを聞いてくれるようになった」と喜んだと語った。
校長室を開放したり、1年生と6年生の教室を隣り合わせにするなど着任初期の試みにも触れ「学校文化の『当たり前』を再考する必要がある」と強調した。
城間校長は「児童が学習の成果と課題を振り返り改善に生かすのが通知表の役割だが、教員は作成に手いっぱいで肝心のフィードバックの時間が取れない」と廃止の理由を振り返った。
新たに取り入れた「個表」は、フィードバックに有効で短時間で作れる他、児童へのアンケートでも94%が「良かった」と回答。「子どもたちの自己肯定感が高まった」と評価した。
上映会は、子ども食堂などを支援する耳鼻咽喉科かおる医院と体験型フリースクールの設立を目指す「プレイフルスクールおきなわ」が主催した。