生まれ育った環境に左右されることなく、全ての子どもが夢や希望を持って成長できるよう社会全体で支える「こどもまんなか社会」の実現を目指す沖縄県主催のシンポジウムが8月22日、那覇市の沖縄大学であった。子どもに関わる関係者が登壇し、子どもや若者の権利、社会参画などについて考えた。
(社会部・下里潤)
 県が3月に定めた「県こども・若者計画(未来のおきなわっこプラン)」への理解を深め、子どもや子育て世代に優しい社会づくりを進めることが目的。スペシャルゲストとして沖縄アクターズスクールの牧野アンナ取締役最高執行責任者(COO)が講演した。
 牧野さんはダンスなど自身の指導経験を踏まえ、子どもたちの才能を開花させることについて意見を述べた。「大人が何でも教えてしまうと、子どもたちは自分で考える必要がなくなってしまう。与えられたことを上手にこなすだけで、自分で何がしたいかが分からなくなる」と指摘した。
 「才能とは、何かを好きになって夢中になり、継続して努力できること。指導なんて必要なく、もっとやりたいと思わせる環境をつくっていくことが私の仕事だ」と語った。
 失敗や間違いを怖がる子もいるが、「間違いは伸びしろがあるということ。親は子どもが失敗しないよう、例えば忘れ物をチェックする場合があるが、これは失敗するチャンスをつぶしているのと同じ」と強調した。
 その上で「自分で考え、失敗し、恥をかき、一つ学んで大きくなれる環境をどうつくっていくか。レールを外れても大丈夫なんだよと、大人が支えてほしい」と呼びかけた。
 他に沖縄大の学生も登壇し、フィールドワークで学んだことを発表し、子どもや若者の参画を促す提案を行った。
県こども未来部の真鳥裕茂部長、県出身でこども家庭庁の安里賀奈子課長、沖縄大の山代寛学長らがそれぞれの立場から意見を述べた。
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