発端は2023年12月、市長専属運転手へのセクハラ疑惑が報道で表面化したことだった。南城市の合併前から含めて通算19年、首長を務めた古謝市長。その影響力を恐れて沈黙していた他の職員も「私も」と被害を訴え始め、当初は否定的だった市議会の空気を変えていった。
そして2025年9月、4度目の提案で、市議会は不信任決議を可決。しかし、古謝市長は一貫して疑惑を否定している。
これまで何が明らかになり、市長はどのように発言してきたのか。被害者たちの訴えや、本紙記者と古謝市長の一問一答を中心に、南城市政の経過と現在の動きを随時更新していく。
10月6日 市長が市議会を解散
市長室へ向かう古謝景春南城市長=2025年10月6日午前10時14分、同市役所
セクハラ問題を巡る不信任決議案可決に伴い、辞職か議会解散かの判断を迫られた古謝市長は2025年10月6日、市議会の解散に踏み切った。記者団の取材に「このまま辞職すると、これまで否定してきた事案(市職員へのセクハラ)までも事実と認められると判断した」と理由を説明。セクハラはやっていないと強調した。
報道陣の取材にはずか1分16秒しか応じず、記者の質問を一方的に打ち切った。
9月26日 市議会が4度目で不信任決議案可決
2025年9月26日、南城市議会が市議会9月定例会最終日に古謝市長のハラスメント問題を巡る不信任決議案を可決。4度目の提案となる今回は、これまで古謝市長を支えてきた与党市議の一部が初めて「市政の長期混乱」の責任を問う文面で提案した。
不信任決議案が可決され、報道陣に囲まれながら市長室へ戻る古謝市長=2025年9月26日、同市役所
26日の不信任決議案可決前、本紙取材に「上等さ。出したらいいよ。可決されたら議会解散よ、解散」「100%否決。可決されれば議長が恐喝で訴えられますよ、(僕の)家族に。変な方向で動いている議員メンバーは全部自分の首を絞めることになる」などと主張していた古謝市長。いざ可決された後は「みんなとどういう形で今回のものを決着するかを含めて相談したい」と述べるにとどめ、進退を明言しなかった。被害を訴えた市職員への謝罪もなかった。
9月22日 市長の「口止め」音声が明るみに
古謝市長が2025年8月、女性職員に対して「会った時にハグしたさーね」「ハグしたのも(あなたが)初めてだわけさぁね」などと発言していた音声データが明るみに。本紙が音声データを入手し、2025年9月22日付で報じた。「第三者委員会に、何か話したの?」と被害申告したかどうかを問いただしたり、キスについて市議らに被害申告しないよう念押ししたりもしていた。
写真を拡大 古謝市長と女性のやりとりの一部
女性は10年以上前から古謝市長にキスされるなどの被害を繰り返し受けてきたという。第三者委がセクハラを認定し、辞職を提言した後も市長が現職にとどまっているため、身を守るために録音した。
音声データ報道を巡り、古謝市長は本紙取材に「なんであんないい子がこういうことをやるのかなって。今回の原因は政治的な絡みがあるとみている。市長選に出る人と多分つるんでいる」などと持論を展開。女性の訴えを認めず、政治的な策略を主張した。
矢野恵美琉球大学法務・コンプライアンス担当副学長は「被害者が申告者捜しや口止めされる恐怖にさらされ続けている。声を上げることが著しく困難になり、自浄作用が全く機能していない」と指摘した。
9月8日 市が前市政検証で第三者委設置へ
古謝市長は2025年9月8日、瑞慶覧長敏前市長から当時の市職員に対するパワハラを検証するために、第三者委員会を設置する方針を突如として表明。元職員2人が「瑞慶覧氏からパワハラ被害を受けた。古謝氏の案件しか検証しないのはおかしい」と外部相談窓口に訴えたという。
古謝市長は本紙取材に「僕が(セクハラ問題で)いじめられたから(元職員が)怒っているわけさ」などと持論を展開した。
5月28日 市長が私選弁護人と会見し反論
古謝市長は2025年5月、私選弁護人を呼んで反論会見を開催。第三者委員会の辞職提言について「大変驚いた。私への聴取内容が公平公正に扱われなかった」と不満を示した。
手に触れたことなど一部は認めたものの、第三者委の調査報告書に「事実と異なる点も多くある」と主張。「辞職は考えていない。2026年2月の任期満了まで職務を全うする」と述べ、改めて辞職を否定した。
南城市役所で記者会見する古謝市長(右から2人目)と私選弁護人=2025年5月28日、南城市役所
古謝市長の私選弁護団は「10年前の話をまことしやかに具体的に話すのはおかしい。自分たちでストーリーを書いている」と断定し、被害を訴えた女性への二次被害と受け取れる発言をした。
5月16日 第三者委が被害認定、辞職提言
南城市議会の求めで設置された市の第三者委員会は2025年5月、市長によるセクハラとパワハラを認定し、辞職しかないと提言した。「悪質かつ深刻なセクハラ」「弁解は全くの詭弁(きべん)」「資質、能力に大いに問題がある」。報告書には、古謝市長の数々のハラスメントを認め、厳しく非難する言葉が並んだ。
第三者委員会の赤嶺真也委員長(右)から報告書を受け取る古謝市長=2025年5月、南城市役所
古謝市長は報告書を受けて市役所内で記者会見を開いたが「提言を重く受け止め、内容を精査して弁護士と相談して対応していく」とのコメント文を読み上げるのみ。記者の質問に答えず、2分で会見を切り上げた。
第三者委の報告書を受けて、記者の質問を遮って退室する古謝市長=2025年5月、同市役所
2025年2月19日 市長、強制わいせつ容疑は不起訴に(再審査中)
公用車内で当時運転手だった女性にわいせつ行為をしたとして、沖縄県警から強制わいせつ容疑で書類送検された古謝市長。那覇地検は2025年2月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。地検は古謝市長や女性の証言の裏付けを進めてきたが、客観的な証拠の乏しさなどから有罪の立証は困難と判断した。県警は2024年11月、起訴を求める「厳重処分」の意見を付して書類送検していた。
不起訴を受けて取材に応じる古謝市長=2025年2月、南城市内
不起訴を受けて、古謝市長は本紙の独自取材に応じ、不起訴処分を喜んだ。一方、政治的に陥れられた結果だとして強い怒りを表明。「一生懸命に頑張ってきたのに裏切られた。もう、政治の世界から引きたい。
一方、那覇地検が市長を不起訴(嫌疑不十分)としたのは不当だとして、女性側は2025年4月、那覇検察審査会に審査を申し立てた。2025年10月1日現在、審査の結果はまだ出ていない。
2024年6月 市議会調査でキスなど疑惑9件
2024年1月、南城市議会の野党・中立の有志が南城市職員向けにアンケートを実施し、「市長によるハラスメント行為があった」と発表した。その後、南城市議会は特別委員会を設置し、アンケートを再実施。雇用形態を問わず全職員に尋ねた結果、古謝市長によるキスなどの疑惑9件が浮上した。「腰、おしり、胸を触られキスされた」「机の下で手を握られ太ももをなでられた」などの訴えがあった。
写真を拡大 南城市議会特別委員会が市職員向けに実施したアンケートの自由記述(一部)
古謝市長は本紙取材に「前回(3期目)の時と合わせて(在職)6年になるが、女性(職員)との飲み会をしたことがまずない」「身に覚えがない」として、疑惑を否定した。
古謝市長のセクハラ問題で第三者委員会の設置などを求める陳情書を議会事務局に提出する「ハートのまち南城 人権ファーストの会」のメンバー(左)=2024年2月、南城市議会
2024年6月には市議会が市に第三者委の設置を求める決議を全会一致で可決。10月に第三者委員会が発足した。
2023年12月 元専属運転手の被害表面化
ことの発端は2023年12月。古謝市長による元専属運転手の女性へのセクハラ被害が報道で表面化したことがきっかけだった。
女性によると、その前年(2022年)の12月9日夜、古謝市長宅前で停車する直前、後部座席にいた古謝市長が運転席の女性の左脇の間に手を入れて胸を触ったという。女性は、業務開始当初から車中で言葉のセクハラも繰り返し受けていたと訴えた。古謝市長は否定し、2025年9月現在も、民事裁判が続いている。
「胸を触られた」とする女性の訴えについて、古謝市長は本紙取材に「女として見ていない」「女性として魅力を感じていなかった」などと繰り返した。古謝市長の発言について、ジェンダー問題に詳しい沖縄大学の宮城公子名誉教授は「女性として魅力を感じてない、という発言自体がセクハラだ」「セクハラの問題で加害者側の感情は全く関係ない」と指摘している。
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