沖縄県国頭村内の山中で希少生物を狙う密猟者の摘発を目的に、県や名護署、環境省などの関係機関の職員らは9月27日、夜間の合同パトロールを実施した。森林内の巡回や林道付近で検問を実施し、住民や自然観察に訪れた人に密猟防止を呼びかけた。

 日本最大の甲虫である国指定天然記念物のヤンバルテナガコガネは、1984年に新種として発表された後、乱獲・密売が多発し、生息域が減少している。9~10月は、ヤンバルテナガコガネが活動する時期でもあり、より警戒が必要だ。
 検問は県が10月25日まで夜間通行止めをしている林道入り口で実施した。パトロールと検問で、車両計7台の運転手に職務質問し、不審物がないか調べたり、林道の通行許可証の有無を確認したりした。無人の駐車車両には密猟防止を呼びかけるチラシを挟み込んだ。今回、密猟者の摘発はなかった。
 パトロール中には、リュウキュウオオコノハズクやイシカワガエルが活動する様子や、ヤンバルクイナが木の枝で寝ている姿も確認された。主催した県自然保護課生物多様性推進監の玉城純子さんは「やんばるの森は世界自然遺産に登録され、希少な動植物が生息する。今後もパトロールや検問を続けていく」と話した。(北部報道部・大庭紗英)
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