前の座席の下に置いていた乗客のかばんから煙が出て、隣の乗客がペットボトルの飲料水を手渡して消した。所持していたリチウムイオン電池内蔵のバッテリー4個のうち、2個から発煙したという。
持っていた水を渡して消し止めるのを手伝った隣席の鉢嶺侑(ゆうり)さん(25)=西原町=は本紙取材に「離陸して間もなく『プシュー』という音が聞こえ、白い煙が充満した。煙に早く気付けて良かった」と話した。別の乗客の女性によると、機長から「鎮火したので飛行を続ける」とアナウンスがあったという。
国内外で機内に持ち込まれたモバイルバッテリーの発煙や発火が相次いでいる。国土交通省は機内預け入れ荷物に入れるのを禁止しているほか、7月からは座席上の荷物棚に入れず、常に状態を確認できる手元などに置くよう求めている。
今回の発煙について、全日空は「国の要請に従い、煙の段階でいち早く感知できたことが、消し止めることにつながった」と説明した。