与党が、2026年度予算の年度内の成立へ強硬姿勢を見せている。
高市早苗首相が2月末の衆院代表質問で、新年度予算の3月末までの成立を目指すと明言したのを受けてのことだ。
衆院予算委員会の坂本哲志委員長(自民)は「職権」で、省庁別審査や中央公聴会などの日程を次々と決定している。
与党は13日に「締めくくり質疑」を行うことを野党に提案。同日には衆院を通過させたい意向だ。
通常、衆院予算委での予算案審議は70時間台が相場とされる。少数与党だった石破政権下では92時間に上った。今回、与党の提案通りに進めば50時間台ほど。01年度以降で最短だった07年度の66時間半よりさらに短い。
こうした動きを受け、野党5党は衆院議長に充実審議に力を尽くすよう申し入れた。「従来の審議を無視した前代未聞の日程だ」と厳しく批判した。
新年度予算案は一般会計の総額が過去最大の122兆円に上る。社会保障費も過去最大を更新している。
防衛費も初めて9兆円を超えた。南西地域の防衛体制強化のため那覇駐屯地を拠点とする陸上自衛隊第15旅団を師団に格上げする予算を含む。加えて、歳出が膨らみ、国の借金である国債を新たに29兆円発行する。
徹底的に議論を尽くすべき内容の予算案が「時短」で行われることは納得できない。
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そもそも、国会が窮屈な日程になったのは首相が衆院を「奇襲解散」したからである。
年明け間もない選挙はこれまで極力避けられてきた。当初予算案を審議する必要がある上、厳寒期に当たり、豪雪地帯では投票が困難になる恐れがあるからだ。
衆院選は、解散翌日から投開票まで戦後最短16日間の超短期決戦となった。そのため政策議論が深まったとは言い難い。
高い支持率を誇る高市首相だが、衆院解散の判断は世論調査で反対が賛成を上回った。
その反省も謝罪もないまま国の針路に関わる政策議論がないがしろにされようとしている。
予算の審議日程を巡る動きを見ていると、高市政権は「数の力」を背景に政治を進めようとしているように見える。
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有権者を代表する国会を軽視することは、国民をないがしろにすることでもある。
高市首相が「積極財政」にかじを切ろうとしているのならば、国民の疑問に対し説明責任を果たすべきだ。
野党が提案するように、暫定予算を組んだ上で、新年度予算をじっくり議論する方法もある。多様な意見をぶつけることで課題が浮き彫りになるはずだ。
行政のチェック機能という国会の役割を形骸化させてはならない。

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