政府の防衛強化方針により22年度以降、毎年約1兆円規模の増額が続いている。
防衛省は安全保障関連3文書の改定が年内に迫っていることを理由に、今回、事業の多くについて金額を示さない「事項要求」とした。本来は、先行きが見通しにくい政策について認められる例外である。
概算要求では「新しい戦い方」への対応や「持続的な対応能力」、「防衛力の基盤」など3文書改定の3本柱を掲げた。自衛隊の「統合作戦司令部」の指揮統制へのAI導入や、武器の生産強化のため工場の公設民営化「GOCO」方式を推進する費用など多くの新規事業も事項要求となった。
ただ、事項要求の項目数は明らかにしていない。
概算要求は政策や事業に必要な予算を積み上げるのがルールだ。事項要求の多用は予算編成の在り方をゆがめかねない。
来年度当初予算案は最終的に10兆円を超えるとの見方も出ている。
22年の安保3文書改定で岸田政権は27年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで引き上げることを決定した。それを、高市政権は2年前倒しして25年度に達成した。
しかし「総額ありき」の予算で、毎年1千億円規模の「不用額」も出ている。国民が物価高に苦しむ中、理解を得られるのか。
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高市政権は3文書を年内に1年前倒しで改定し、防衛費のさらなる増額に踏み出す。
ただ、必要な財源をどう確保するのか。防衛増税としてことし4月からは法人税とたばこ税が引き上げられた。来年1月からは所得税も上がる。
防衛費増額は米側の要望に沿ったものだ。トランプ米政権は同盟国全体にGDP比3・5%とするよう求めている。仮に日本が従えば年20兆円となり巨額だ。青天井の防衛費は「専守防衛」の空洞化も招く。
県内では、北大東村に空自の移動式警戒管制レーダーを配備するための部隊庁舎整備で約380億円。沖縄市の陸自沖縄訓練場内へ新たな補給拠点を建設するとして約247億円が計上された。
補給処は装備品や物資の調達などを担う後方支援の中核機関で、防衛基盤強化が一層進められることになる。
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防衛省の沖縄関係経費も増加傾向が続く。
米軍再編経費が今回も事項要求となった一方、米軍基地を抱える自治体への交付金や先島諸島でのシェルター整備など「周辺環境整備」が前年度比39・1%増の299億2700万円と全体を押し上げた。
米軍基地の負担に加え、防衛力強化も県民の負担となりつつある。肥大化と要(よう)塞(さい)化に歯止めをかけるべきだ。

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