スポーツはもちろん、将棋や囲碁のほか、ビデオゲームの世界でも、いまや当たり前になった「観戦」文化。
バトルの魅力のひとつは、戦略の奥深さ。プレイヤーは自分で育てたポケモンを選び、相手と戦う。各ポケモンは4種類の「わざ」を覚えており、プレイヤーは毎ターン、相手の手を読みつつ最適なわざを選択していく。
ここで重要なのが、ポケモンやわざの「タイプ」。全部で18種類あるタイプには、それぞれ強弱の関係がある。
さらに、約4%の確率で相手に与えるダメージが増加する「急所への攻撃」や、あらゆる要因によってポケモンに起こる、まひ、どく、やけど、ねむりなどの「状態異常」といった“運”も絡んでくる。たとえ不利な状況でも、一発逆転のチャンスは残されている…そんなスリルが、観戦の楽しさを生み出している。
このようなバトルのおもしろさを、より多くの人に味わってもらうためのツールがPBS。AIを活用し、どちらのプレイヤーが優勢かを数値化する「形勢判断」と、次に選択すべき「候補手」を表示。
PBSは、2024年2月25日開催の「ポケモン竜王戦2024」ゲーム部門での導入を目指して開発。本大会は株式会社ポケモンが主催し、将棋界最高峰のタイトル戦「竜王戦」を主催する読売新聞社と、日本将棋連盟との共催のもと運営。近年は能楽堂を舞台に、選手たちが和服を羽織って参加するなど、バトルの大会に留まらないユニークなイベントとして親しまれている。
開発は一筋縄ではいかず、駒の数が決まっている将棋とは異なり、ポケモンバトルには、1000種を超えるポケモンや、900種類以上ものわざが存在。また、バトルフィールドの天気やポケモンの状態異常などによっても、選ぶべき手が変わる。