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やまへ。
この時が来てしまいましたね。ずいぶんと早かった。いつか来るきょうの日にしっかりと思いを伝えられるようにって、繰り返しイメージトレーニングをしてきたけれど、たぶん今の私は涙がボロボロになると思います。3期生として乃木坂で加入してからずっと、休みの日は一緒に遊びに行ったり、仕事終わりにご飯に行ったり、長い休みがある時には旅行に行ったりしてるけど、正直何がきっかけで仲良くなったか全然覚えてないです。
やまことを好きな理由はたくさんあるけれど、その中の1つはお仕事に向かう姿勢です。どんなお仕事にでも1つひとつ全力で向き合っていて、何事にも手を抜かず努力を重ねていて、近くで見ていたら思わず尊敬してしまうほどかっこいいです。でも、そのおかげで心配になってしまうこともありました。お家で倒れたという話を聞いた時は、自分のことのように苦しくて、アイドルとしてのやまは本当に大好きだけど、その時ばかりは、お仕事をお休みしてくれることで少しだけほっとしたりしていた自分がいました。だからね、やまがこのグループを辞めたいって言われても、正直冗談でも引き止められないなって思ってたんです。
今回の卒業シングルでありがたいことにそばにいられたことは、ずっとずっと私の中で願っていたことだったから、かなえたかったことだったから、それがかなって私はすごくうれしかったんだ。でも、私の力不足で本当につらい時に近くにいれなくてごめんね。これからはメンバーとしてではなく、親友としてどうぞよろしくお願いします。
今まで頑張ってきた分いっぱいいっぱい幸せになってね。本当はこの言葉を言ってしまうと終わってしまうから言いたくないけど、言いますね。卒業おめでとう。本当に今までお疲れ様でした。
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号泣しながら読まれた手紙を受け取った山下は「最初に乃木坂に入って出会ったのは、理々杏が中学校2年生の時で、その時は沖縄の出身だったから、沖縄から1人で14歳の女の子が1人で上京してきて、きっと心細いだろうし、心配だなっていう気持ちで実は最初一緒にいて。でもいつしかお母さんみたいに思えてくる時もあって。