原作は、「現地の言葉を覚える近道は恋人をつくること」と考えたフランス人女性が、日本でのリアルな日々を記した“トーキョー日記”。マッチングアプリを通じた出会いや、日本人男性へのユニークな洞察、自由を求めるフランス女性の等身大の姿に、フランス国内で大きな共感と熱狂を呼んだ。2024年のフランスでの発売と同年の日本語翻訳出版を経て、日本でも「フランス人の視点で描かれた東京の姿」に注目が集まった。
そんな話題の原作を基に誕生する本作は、東京にやってきた型破りなフランス人女性シェフ・モナが、老舗居酒屋を再生するために職人気質の日本人料理人・俊郎とタッグを組む――という物語。文化、性別、価値観の違いでぶつかり合いながらも、互いに成長し、“思いがけない関係”へと発展していくカルチャークラッシュ・ロマンティックコメディだ。
共同プロデューサーは、細田守監督作品『ミライの未来』(2018年)、『竜とそばかすの姫』(21年)などをフランスで手がけたジョナス・ベンハイエムとジャン=フェリックス・ディールベル(Salle Commune Productions)。さらに、『Summer of 85』(20年)や『コット、はじまりの夏』(22年)などを配給してきた日本の製作・配給会社フラッグから小田寛子が名を連ねる。
脚本は、フランスで今最も注目される若手脚本家のひとり、クレマンス・ダルジャン(『ベルナデット 最強のファーストレディ』)が担当している。
この『Tokyo Crush』は、フランス・リールで開催された世界最大級のテレビドラマイベント「Series Mania Forum 2025」の共同制作ピッチ部門にて、400作品の中から最優秀賞を受賞。
Series Maniaは、フランスで毎年開催される国際的なテレビドラマの祭典。
審査員長を務めた、フランスの大手映画製作・配給会社Studio Canalのテレビシリーズ部門トップ、M-K ケネディは「『Tokyo Crush』は、キッチンの内外で繰り広げられる物語の可能性に魅了されました。文化の衝突、伝統と現代性の対比、競争、そして“くっつくのか、くっつかないのか”というロマンスなど、コメディ要素も豊富に含まれており、すべてが新鮮です」とコメント。食・恋愛・成長を組み合わせた独自性が高く評価された。
また、日本の伝統文化である「居酒屋」を舞台にした点も国際的に評価され、日本の魅力を世界へ届ける企画として注目を集めている。
東京の居酒屋で働くフランス人女性シェフが、美食を通じて日仏の文化的架け橋を築こうと奮闘する『Tokyo Crush』。文化の違いに悩みながらも、徐々に心を通わせていく主人公たちが描く“ポップ”で“キュン”なストーリーに期待が高まる。