日本音楽著作権協会(JASRAC)は16日、2025年JASRAC賞の受賞作品を発表した。前年度にJASRACから分配された著作物使用料に基づき、国内外で高い使用実績を記録した楽曲が表彰された。


 金賞に輝いたのは、テレビアニメ『【推しの子】』の主題歌としても知られるYOASOBIの「アイドル」(作詞作曲:Ayase)。YOASOBIは2年連続での金賞受賞となり、そのロングヒットぶりをあらためて証明する結果となった。Ayaseは「昨年に引き続き受賞できたこと、大変うれしく思います。楽曲が世に放たれ、たくさんの方に聴いてもらえる状況が一度生まれただけでもとてもうれしいことで、それがこうして年を跨ぎ、長い時間愛し続けてもらえていること、とても感慨深いです。作曲者冥利、ミュージシャン冥利に尽きます。これからも思考を止めず、真摯に音楽と向き合い、自分の信じた道を邁進していきます」とコメントした。

 銀賞にはCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」(作詞:R-指定、作曲:DJ松永)が選出された。同曲はアニメ『マッシュル-MASHLE-』のオープニングテーマとして話題を呼び、R-指定とDJ松永は「このたびは大変光栄な賞をいただきましてありがとうございます。我々の楽曲がたくさんの方に聴いていただけていることを改めて実感しています。これからも自分たちが良いと思う音楽を突き詰めて作っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします」と喜びを語った。

 銅賞には、Adoが歌唱する「唱」(作詞:TOPHAMHAT-KYO、作曲:Giga/TeddyLoid)が受賞。
作詞を手がけたTOPHAMHAT-KYOは「このたびは素敵な賞をいただき、本当にありがとうございます。作詞のお話をいただいた際には、『自分で大丈夫だろうか』と少し不安もありましたが、結果として銅賞受賞という素晴らしい形になり、大変うれしく思っております。これからも作詞家として、そしてアーティストとして、楽しみながら音楽活動を続けてまいりますので、温かく見守っていただけますと幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と述べた。

 作曲を手がけた2人は「やばい!とってもうれしいです!るんっ♪」(Giga)、「この楽曲が、多くのリスナーのみなさまに評価いただけたこと、そして僕が長年向き合ってきたダンスミュージックというジャンルで国民的な作品として広く届いたことを、音楽プロデューサーとして誇りに感じています。『唱』は唯一無二の楽曲として完成しました。この作品に関わってくださったすべてのみなさま、そして作品を愛してくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます」(TeddyLoid)とそれぞれコメントしている。

 国際賞には、アニメ『ONE PIECE』のBGMが選ばれた。作曲者の田中公平氏は「25年かけてついに受賞できた」とし、国内外の視聴者や関係者に感謝の意を表した。

 外国作品賞には、故クインシー・ジョーンズ作曲の「SOUL BOSSA NOVA」が受賞。代表曲として映画『オースティン・パワーズ』などでも知られるこの楽曲は、発表から60年以上を経てなお広く愛されている。

 JASRAC賞は1982年に創設され、今回で43回目。
国内作品の上位3作品には金賞/銀賞/銅賞、海外からの入金が最も多かった国内作品に国際賞、分配額が最も多かった外国作品に外国作品賞が贈られる。2024年度の分配対象楽曲数は約331万3762曲となった。
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