◆『美女缶』(2005年/主演:妻夫木聡/脚本・演出:筧昌也)
奇妙では珍しい“恋愛ジャンル”の傑作。「理想の女性が缶詰めから出てくる」という突飛な設定ながら、物語は抒情的で美しく、特にラストの描写には胸を締めつけられた方も多いはず。映像全体を彩る鮮やかなトーンと余韻のある演出が、今なお多くのファンの心をとらえ続けている。主演・妻夫木聡と臼田あさ美の瑞々しい演技も光を放ち、視聴後にじんわりと感情が染み渡るような一本。恋愛を描いた「奇妙」のなかでも突出した評価を受ける名作が、35周年のいま、ふたたび甦る。
(あらすじ) フリーターの雄太(妻夫木聡)は、同棲中の彼女・春子が出張に出かけたことで、一人暮らしを始める。ある日、隣人の冴えない男の部屋から毎朝違う美女が出てくるのを目撃し、不思議に思う。興味を持った雄太は、冨岡の部屋に忍び込み、「美女缶」という缶詰を発見する。試しに使用してみると、藤川サキ(臼田あさ美)という美女が現れ、雄太は彼女と心を通わせていく。しかし、「美女缶」には、とある秘密が隠されており…。
『世にも奇妙な物語』は、1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送。これまで各時代を代表するような作家や脚本家と豪華俳優を掛け合わせることによって、その名の通り“奇妙な”物語の世界観を作り出してきた。