磯村勇斗、役者の道を決定づけた高校時代の選択　恩師との衝突も「本気度は伝わっていたと思う」【インタビュー】

俳優の磯村勇斗（32）が、自身が主演を務める7月14日スタートのカンテレ・フジテレビ系ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』（毎週月曜 後10：00）の合同取材会に出席。今作で民放連続ドラマで初主演を果たす磯村が、俳優活動の節目を迎えた心境や、高校時代の思い出を振り返った。 今作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー（学校弁護士）として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。主人公のスクールロイヤー・白鳥健治（しらとり・けんじ）を磯村、元・男子校の教師で主人公にとっての良き理解者となるヒロイン・幸田珠々（こうだ・すず）を堀田真由が演じる。そして約9年ぶりの民放連続ドラマ出演となる稲垣吾郎は、2人が勤務する私立高校の理事長・尾碕美佐雄（おざき・みさお）を演じる。――ドラマのオファー時の心境を教えてください。自分としては、民放で初めて主演をさせていただくことになりました。俳優を始めてから10年、このタイミングでお話をいただけたのは非常にうれしい反面、今年は挑戦の年になると感じています。役者人生の中でも一つ大きなターニングポイントとして、この作品を自分の中でしっかり咀嚼（そしゃく）して、愛して、最後まで無事に撮影を終えたいです。――台本を読んだ時にどんなことを感じましたか？非常に癖になるなと。自分が演じる健治という存在が、一度読んだだけではつかめないというか、不思議な存在であるなと。彼は彼で人とは違った感覚を持っていて、いろいろな過去がありながらも、臆病だけど前に進んでいる健治を応援したいなと思いました。あとスクールロイヤーという仕事について、今回いろいろ知ったので、この職業がたくさんの方に認知されるようになればいいと思っています。今回、生徒たちの悩み、問題が出てきます。確かに自分も学生の頃、髪型のことで、先生とすごい喧嘩をしたんですよ。ちょっとずつ髪を切ったりして、「ここはいいのか？ダメなのか？」みたいな。だから登場する生徒たちの気持ちがわかるんですよね。――共演する堀田さんの印象を教えてください。常に誠実な方だなと思います。言葉選びもすてきだし、とてもフランクに接してくださるので、自然体でいらっしゃるその姿がとても魅力的だなと思います。それでいて一本、きちんと役者としての芯がある方だなと感じるので、今回、珠々さんとのシーンの掛け合いで、ちょっと不思議な部分があるので、それをどのように演じていくのかを今からとても楽しみにしています。今回ご一緒できてうれしく思います。――高校時代の思い出や、今回の台本に共感できる体験談があれば教えてください。高校時代は本当に友達とすごく楽しく過ごしました。バスケ部に高校1年生から入ったのですが、高校2年で 地元の劇団に入りました。そこから芝居をやるのか、部活を続けるかで、一度、顧問の先生と話し合ったこともありました。高校時代の3年間は、今の役者の生活に関わる重要な決断をした3年間だったなと思います。悩みもあったし、友達たちも支えてくれたし、いろいろな思い出がありますね。先生はどちらかというと対立関係でしたね（笑）。でも、応援してくれていたと思います。誰もやってないことをやろうとしている自分の姿を見て、本気度は伝わっていたと思うので、きっと陰ながら応援してくれていたと思います。――今回、磯村さん演じる「健治」は文字や音に対して「形や色」を感じる知覚現象「共感覚」を持つ人物として描かれますが、ご自身が優れていると思う 感性はありますか？僕、かなり人の心が見えてしまう気がしています。人っていい意味で嘘をつくこともありますが、顔に出ていない、音色に乗ってない、奥が見える時があって。それが原因で疲れる時もあるんですけど、そういったものをすごく感じ取りやすいタイプかもしれないですね。だから（健治とは）真逆です（笑）。でも人の心がわかるという感覚を知っているからこそ、（健治のような）知らない役ができるので、知っている人でよかったなとは思っています。――役作りのために準備していることはありますか？スクールロイヤーといっても本業は弁護士なので、実際の弁護士さんをたくさん見たいなと思って、今は（裁判の）傍聴にハマっています。非常に勉強させてもらっていますね。いろいろな弁護士さん、男性女性、髪型や表情、しゃべり方は本当に人それぞれだなと。そういった部分を主に見ています。