歌舞伎俳優の中村七之助(42)が6月30日、都内のホテルで披露宴を行い、開宴前に取材に応対した。

 披露宴前に神前式が行われ「晴れて夫婦になれたことを報告させていただきます」と笑顔を見せた。
交際期間は「2年ちょっと」という。妻の杏奈さん(35)の誕生日である昨年4月22日にプロポーズ。その前年に同級生らと初めて一緒に海外旅行へ。訪れたのはスリランカで「サファイヤが有名で。友達に協力をしてもらって、スリランカのサファイヤを石だけ買って指輪にした。まだ指輪にしてなかったんですけど渡して『結婚してください』と。泣いてびっくりしてましたけど快く『はい』と言ってもらえた」と笑顔を見せた。その後、昨年の七夕である7月7日に指輪ができ、4月22日に婚姻届を提出したという。結婚指輪もお披露目し「恥ずかしいな」と照れていた。

 母や兄・勘九郎に報告した際も振り返る。「すごく喜んでました。『よかったね』と言ってくれました。
(あいさつの際に)うちの妻もすごく緊張していた。実は大したことないんですけど、世間様の考えでは歌舞伎の世界には大変なんじゃないか思われていて。最初緊張してたんですが、長三郎がすごくびっくりするようなことを言いまして。何にも言ってないんですけど、結婚報告した後に話し始めてですね。『杏奈さんの幸せを1番に考えてください』と。びっくりするでしょ?たまげちゃって(笑)。結婚報告どころじゃない(笑)。『この人、人生を何周しているんだ?』と。それでほっこりしました。妻も笑顔になった」と甥っ子に感謝。「家族の仲がいいので一員になって一生懸命生きていきたいなと思いました」とほほえんでいた。

 もちろん亡き父・勘三郎さんにも報告。
「父は1番いてほしかった」と話し始めると、急にライトが落ちるハプニングが。「しゃべると、こういうことをするんですよ」と笑う。同じ場所で勘三郎さんも式を挙げた。「お酒を飲みすぎて立てなくて、金屏風につかまらないと立てなかった。うちの母から初めて怒られたのは、ここでございます。兄の結婚式も同じく、ここで。当時は勘太郎。最後のごあいさつで『愛ちゃんは太郎の嫁になる』と歌った。ファニーなお父さんだったんですけど、きょうは上で、どんなファニーなことをしてくれるのかと思うと胸がいっぱい。きょうぐらい降りてきてほしいなと思います」としみじみと口にした。

 どんな家庭を築きたいか問われると「長三郎に『杏奈さんの幸せは1番に考えて』と言われたので(笑)。歌舞伎の世界でございますので、2人で力を合わせて。
波野家は全て家族の仲がいいので、仲のいいまま人生を歩んでいけたら」と笑顔。ほとんどケンカもしないそう。「歌舞伎役者さんのお嫁さんは怖いってよく言いますけど、うちの妻はすごく優しい」としながらも「これからは歌舞伎界の諸先輩方を見習って、ちゃんと尻に敷かれようと思います」と笑わせた。

 今年4月に所属事務所を通じて結婚することを発表。「私事で大変恐縮ですが かねてよりお付き合いしておりました方と結婚いたしますことをご報告させていただきます」とすると「未熟な二人ではございますが 今後ともご指導ご鞭撻のほどひとえにお願い申し上げます」と伝えていた。

 七之助は、1983年5月18日生まれ、東京都出身。1986年に初御目見得。87年、『門出二人桃太郎』で、二代目・中村七之助の名で初舞台を踏む。女方として数々の演目で妖艶な姿を披露。歌舞伎のみならず映画『真夜中の弥次さん喜多さん』、映画『ラストサムライ』など話題作品にも出演した。父親は、十八代目中村勘三郎、兄は六代目中村勘九郎。
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