本作は、多額の借金や深刻な問題を抱え、人生をあきらめかけた人々が、一発逆転の高額賞金を懸け、誰もが知る子どもの遊びをモチーフにした「負けたら即死」のゲームに挑む狂気のサバイバルスリラー。単なる勝負の行方だけでなく、その裏に潜む謎、参加者たちの思惑や動機が交錯しながら生まれる重厚な人間ドラマも描かれ、世界がこの“遊戯”に熱狂した。
この残酷なゲームを支配する「フロントマン」役を演じたイ・ビョンホン。黒いフード付きのコートに黒い仮面をまとったフロントマンは、謎と威圧感を象徴する存在だ。「最初はカメオ出演だと思っていたんです。簡単な撮影だろうと思っていたら、気づけばシーズン2と3まで撮ることになりました」と感慨深げ。
シーズン1の台本を手にしたときの印象は強烈だったという。
「本当に独創的でユニークだと感じました。構成も特異で、放送されたら大きな支持を得るか、あるいは全く受け入れられないか、どちらかだろうと思ったんです」
結果は世界的な大ヒットに。「予想を超える大きな反響をいただき、本当に驚きました。韓国の映像文化に大きな足跡を残す作品になったと思いますし、そんな作品に参加できたことをとても光栄に思っています」と感謝した。
フロントマンの正体は、警察官ファン・ジュノの失踪した兄で、かつて自らもゲームに参加し優勝した経験を持つファン・イノ。
「フロントマンは本当に演じるのが難しいキャラクターでした。見る人に『この人物は一体どんな内面を持っているのか』と思わせたい。自分でも彼を深く理解しようと、監督と何度も話し合いながら作り上げたキャラクターで、本当に愛着が湧きました。『3つ演じる』と聞いたときは正直ワクワクしました。大変でしたが、そのぶん面白くてやりがいのある挑戦でした。監督と細かく相談しながら、『異常な世界観の中で彼がどう生きるか』を突き詰めて、怖さや不気味さも意識して演じました」と振り返る。
シーズン3ではフロントマンの内面の変化に注目だ。
「例えば、ギフンを見て『自分と同じ道を歩むのではないか』という不安を抱く一方で、『自分にはできなかったことをこの人ならやり遂げられるかもしれない』という期待や応援の気持ちも芽生えていきます。シーズン3では、そんなフロントマンの人間らしい葛藤や微妙な変化も感じてもらえたらうれしいです」
すべての撮影が終わり、本作に別れを告げた瞬間をイ・ビョンホンこう振り返った。
「一言でいうと『すべてが終わった』という開放感でした。
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