『焼肉ドラゴン』や韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の日本版舞台化での台本・演出などを手掛けた鄭が、2020年に書き下ろした本作。
二人の若者の恋物語と時代を生きるならず者たちの抗争劇に、人種間や国と国との差別・格差などの普遍的なテーマを巧みに織り込み、笑いありと涙ありの作品で話題となった。ロミオとジュリエットを演じるのは、初演から続投となる桐山と柄本。桐山が吃音症に悩む奥手で泣き虫ながら屋台で働く真面目な青年ロミオを、柄本がダメ男に貢ぐ癖があり気が強いながら心根が真っすぐで優しいジュリエットを演じる。
桐山は、あす6日の初日を前に「稽古はもう十二分にやったので、あとはもう1秒でも早くお客様の前でこの新しくなった『ロミオとジュリエット』をお届けしたいなと思うのと、以前コロナで止まってしまったので、最後カンパニー一同、けがなくうまく(幕を)おろせたらなっていう思いで挑んでます」と座長らしいあいさつ。
前回は新型コロナウイルスの影響により、全公演完走することなく公演中止となった本作の5年ぶりの再演について「コロナで止まってしまったものを、5年ぶりにもう1度やらせていただけるとオファーをいただいた時にうれしかったんで、すぐ時生に連絡したんですよ」と喜んだという。
一方で「5年前、体力的にも精神的にも本当に大変な舞台(だったの)で、5年経った僕ら、今年36(歳)の年で、できるんだろうかと(笑)」と不安があったことも告白。「なので、時生くんにはすぐ連絡させてもらって。そのオファーを聞いたぐらいで、たまたま八嶋さんとはご飯屋さんでお会いして。『お願いやから、八嶋さん、絶対出てくださいよ。再演のオファーが来た時には、絶対出てください』って言った時に『わかった。もう絶対出るから』って言ってくれたのを、ちゃんとかなえてきてくださって。
また、その後の「ロミジュリ」にかけて「急に好きになったもの」という質問に対し、桐山は「酸っぱいもの食べられなかったんですけど、なんか最近『梅』のものが好きになって」と回答。すると、八嶋が「あっ、クエン酸みたいな…。やっぱり体が疲れてる(笑)」とツッコみ、一同爆笑となった。
同舞台は、7月6日から28日まで東京・THEATER MILANO-Zaで、8月2日から11日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。