6月6日にEP『cozy you(and other nice songs)』でヴァーヴ・レコードからメジャーデビューしたシンガーソングライターのaron!が、プロモーションのため初来日。7月15日、ユニバーサル ミュージック ジャパンの17階カフェテリアスペースにて、スペシャルショーケースを開催した。


 aron!(本名:アーロン・ストーナイオロ)は、米ノースカロライナ州シャーロット出身の22歳。クラシカルなジャズにポップスの要素を融合させた音楽性を特徴とし、自身では「シンガー・ソングライター・ジャズのようなもの」と表現している。ギター、ボーカル、作詞作曲のスキルを備えたアーティストである。

 大きな拍手に迎えられて登場したaron!は、アコースティックギターを抱え、「ハイ! フレンズ。(日本語で)トモダチ!」と第一声を発した。「ここに集まってくれて、ありがとう。しかもこんなにたくさんの人がいるなんて!」と笑顔を見せ、ギターを軽く爪弾いたあと、1曲目にEPのオープニング曲「cozy you」を披露。甘くて伸びやかな歌声を響かせた。

 “cozy you”には、「あなたは居心地が良い」「あなたはくつろいでいる」「あなたは可愛らしい」といった意味があり、この場で披露されたことで、観客と演者の空間にその言葉が表すような雰囲気が生まれた。

 続いて「ほんと、たくさんの人だなぁ。アイ・ラブ・東京、アイ・ラブ・ジャパン。日本に来るのは今回が初めてなんだけど、好きな食べ物も好きな服もあるよ。
えーと、次の曲は“table for two”。楽しんで!」と話し、2曲目にはEPのリード曲「table for two」を演奏。ギターと少しくずしたボーカルの自然なバランスが印象的で、弾き語りスタイルの中にボサノヴァのような雰囲気も感じられた。途中のパートでは「一緒に歌える?」と観客に呼びかける場面もあり、曲の終盤には美しいハイトーンも披露された。

 3曲目は、EP収録の「i think about u lots」。この曲についてaron!は以前のインタビューで、「“いつもキミのことばっか考えているんだよ”って実際好きだった人に言ったことがあって。で、それを口にしたときに“これ、いい歌詞になるな”って思って、あとで歌にしちゃったんだ」と語っていた。ライブでは、自然体のままさらっと歌い上げていたのが印象的だった。ギターの演奏も控えめで、言葉を引き立てるようなスタイルだった。

 そして、EPの最後に収録された「eggs in the morning」。弾きすぎず、歌いすぎず、朝の穏やかなひとときを描くような演奏で、落ち着いたパフォーマンスを見せた。

 演奏後には「ありがとう。
もう1曲聴きたい? じゃあ、これはEPに入ってない曲なんだけど」と話し、未発表曲を披露。軽やかでグルーヴのある、メロディの変化も豊かな曲で、この日のセットの中でもまた異なる印象を与える楽曲だった。演奏後、進行役から「最後にやった曲のタイトルは?」と尋ねられると、「tandem bike」と答えていた。

 その後、「初めてのショーケース、いかがでしたか?」という質問に対し、aron!は「本当に楽しかった。初めての日本で、やること全て初めてだったけど、いい経験になったよ」とコメント。ショーケースの翌日には、韓国でのプロモーションも控えており、今後のグローバルな活動にも注目が集まる。

 日本での初ショーケースとなったこの日、EPに収録された4曲に加え、新曲「tandem bike」を含む全5曲を披露。終始リラックスした空気のなかで進行し、来場者にaron!の音楽世界をしっかりと伝える時間となった。
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