「ワンダリング」は、力強いバンドアンサンブルと軽快なハーモニーが楽しめる楽曲。岸田繁のいなたいギターに大胆な楽曲構成&アレンジ、佐藤征史の心地よくドライブするベースに加え、ドラムは旧知のGRACEが担当。新進気鋭のバイオリニスト・山田周によるアイリッシュフィドル風のフレーズも取り入れられた、くるりらしさと新鮮さを併せ持つ仕上がりになっている。岸田は本作について「ここから先は私の物語でもあり、あなたの物語でもある」とコメントを寄せている。
さらに、11月から2026年1月にかけて14都市15公演を行う全国ツアー『くるりツアー25/26 ~夢のさいはて~』の開催も発表。また、8月15日からは、6月1日に出演した音楽フェス『NANO-MUGEN FES. 2025』のライブ映像ショート動画を公式SNSで毎週公開していく。
■岸田繁 コメント
奥田民生の『さすらい』を聴いたのは何年前だったろう。記憶というものは風化せずに、強く心に突き刺さったままその形や意味を変えていくことがある。
いつまで経っても怠け者の私は、さすらわぬまま、時が流れ去っていくことをじんわりと感じていた。
トラディッショナルにジェイムス・テイラーが詞をつけた『ワンダリング』という曲に出会った私は、心の中に柔らかい共感をおぼえた。そして慈悲に近い想いが湯水のようにこんこんと溢れ出した。
頑固で弱虫な、そして変化を恐れる自分自身の言葉を絞り出し、音楽をイメージにしたためることに成功した(ように思う)。
ここから先は私の物語でもあり、あなたの物語でもある。私に衝撃を与えたのは、先述した音楽家たちだけではない。心に突き刺さって抜けなくなった杭を、まるで親知らずを抜くようにググッと抜いた。その傷はなだらかに、そしてフラットになってゆく。ただ、親知らずという歯は、確かにそこにあったのだ。
変化を恐れずに旅を続けるということは、清水の舞台から飛び降りるような大袈裟なものではない。放浪とは、今までだらだらと生きてきたその結果だ。ただそれは決して怠け者の所作というわけではない。
私は私だ。どこかの誰かに権利を侵されるものでもない。杓子定規のようなものを使おうものなら、だだっ広い世界のことはおろか、自分自身のことは測れない。
そして、放浪とは孤独なものだ。
くるりを応援してくださっている皆さまへ。
お待たせしました。新曲『ワンダリング』を皮切りに、4ヶ月連続での新作リリースのお知らせです。
来る新作アルバムに向けて、久々にまとまった曲数の作品を鋭意製作中です。
今までのどの作品にも似ていない新しいくるりの作品群を、皆さまにお届けできるよう頑張ります。