■最年少鬼レンチャン&最多出場の名物演歌歌手が異色デュエット
――今回、STU48の12枚目シングル「傷つくことが青春だ」(8月27日発売)のType B収録曲「あの頃のBGM」で異色デュエットされるということで、まずはお二人の共通点でもある『千鳥の鬼レンチャン』の「サビだけカラオケ」のことからお聞きします。そもそも『鬼レンチャン』ファミリーとして、交流はあったのでしょうか?
【徳永】実はちゃんと話すのは今日が初めてです。番組では別の回に出演していますし、『FNS鬼レンチャン歌謡祭』(2024年5月放送)でごあいさつをしたくらいで、直接お話しをしたこともなかったので、デュエットのオファーをいただいたときは本当驚きました。
――そうだったんですね。お互いにどういう印象を持っていましたか?
【池田】私は見逃し配信でも見るくらい徳永さんの出演回が本当に大好きで、落ち込んだときとかにもよく見ています。歌のうまさはもちろんですが、トークも面白くて、見ていると元気になれます。最近では、新浜レオンさんとのタッグモードの回(7月27日放送)が面白かったですね。
【徳永】池ちゃんも相当面白いですよ。番組自体、歌が上手くてかつ、キャラの濃い、面白い方が多いのですが、池ちゃんが特技で披露していた反復横跳びは衝撃的に面白かった(笑)。トークではめっちゃおもろいと思わせておいて、歌うとやっぱり素敵な歌声なので、若いのにしっかりと軸を持っているなという印象を持っていました。
――池田さんは『AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』で2回(2020年、23年)優勝する実力者で、2023年2月放送の初登場から8レンチャン(8曲連続成功/以下同)、9レンチャン、7レンチャンと爪あとを残し、「鬼レンチャンの至宝」の異名もとりました。そして、今年5月25日放送回では4回目のチャレンジにして、最年少21歳で“鬼レンチャン”を達成されました。その時のお気持ちは?
【池田】4回目の挑戦だったんですけど、レベル7がすごく鬼門で。そこでもし失敗したら自己最低で終わることになってしまうので、すごくプレッシャーを感じていました。それでもどうにか、スタッフの皆さんの応援の声で乗り越えることができて、観てくださった皆さんや、『鬼レンチャン』に出演している方々からもたくさんお祝いの声をいただけたりして、とてもうれしかったです。そして、これを機にもっと活動の幅を広げていきたいなって思っていたところで今回のデュエットのお話をいただきました。鬼レンチャンを達成できたからのプレゼントなのかな?と思っているのですが、とてもうれしいです。
――徳永さんは番組初回(2020年10月9日放送)から出演され、1曲目の歌いだしの8音目で失敗し、伝説の“0レンチャン”から始まりましたが、2023年2月に7回目の挑戦で“鬼レンチャン”を達成されました。あの音程のバーを見ながら、どのような気持ちで歌ってるっているものなんですか。合わせにいこうとすると、ガチガチになってしまいそうですよね。
【徳永】僕は番組最多出場らしいんですけれども、何回やっても本当に難しいです。でも、目の前の曲に集中しつつも、あのバーの中で徳永の声の世界、歌声を皆さんに存分に楽しんでいただきたいという気持ちで歌っています。僕は何を歌ってもこぶしが入ってしまうんですけど、こぶしを入れるとスタジオの千鳥さんとかまいたちさんに「何やこれ」と言われてしまうし、入れずに歌って成功すると「味がない」って言われる(笑)。やっぱり僕の一つの武器がこぶしなので、どんな曲にも遠慮なくバンバン入れて歌っていますね。
■「もう復帰できないかも…」選抜落ち、仕事減から這い上がる(池田裕楽)
――そして、池田さんはSTU48の12枚目シングル「傷つくことが青春だ」(8月27日発売)で選抜復帰されることになりました。前回の番組出演時には、1月に発売されたシングルで選抜落ちしてだんだんと仕事が減り、「週5休み」と切実に打ち明けていました。ご自身としても番組で知名度が上がっているのに選抜メンバーに選ばれない焦りがあったのでしょうか。
【池田】そうですね。『千鳥の鬼レンチャン』に出演させていただけるようになって、1stアルバム『懐かしい明日』(2024年6月発売)のリード曲「愛の重さ」で選抜メンバーに一度は入れたんですけど、そこからなかなか次につなげることができなくて…。11枚目シングル「地平線を見ているか?」で選抜落ちしてしまい、応援してくださっている方々に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
私のイメージでは、選抜から一度外れると復帰するのは結構難しいと思っているので、もう復帰できないかもしれないと考えていましたし、これで『鬼レンチャン』4度目の挑戦もダメだったら本当に行き場がないなってすごく思い詰めていました。でも、最年少で鬼レンチャンを達成することができて、そこからまた選抜復帰にもつなげることができて、本当にうれしいです。特に、シングルでは実質初選抜(※注:5thシングル「思い出せる恋をしよう」は全員選抜だったため)なので、なおさらうれしいです。『千鳥の鬼レンチャン』のおかげで選抜復帰できたと思うので、番組の出演者・関係者の皆さんにはすごく感謝しています。
――お二人がデュエットすることを聞いたのは、いつ頃だったのでしょうか?
【池田】1ヶ月か1ヶ月半くらい前に、「動画を撮るから部屋に入ってください」と言われて、中に入ったら、『鬼レンチャン』の中でもお偉いさんや、STUの事務所の中でも上の方ばかりが集まっていたので、「何を言われるんだろう…」と思って、内心すごく怖かったです(笑)。その場で「次の12枚目シングルのカップリング曲で歌ってほしいデュエット曲があります。そのお相手は徳永ゆうきさんです」とサプライズで伝えられました。
【徳永】僕も1ヶ月か1ヶ月半くらい前ですかね。秋元(康)さんからのお話しがあると言われて、“エエッ!?”とびっくりしたのですが、池ちゃんと曲を出すことになったと聞きました。うれしいけど、頭の整理が追いつかなくて(笑)。アイドルと演歌歌手の組み合わせでどんな楽曲になるのか。演歌寄りなのか、アイドル曲寄りになるのか、音源をいただくまでは、どうなるんやろう…と思いながら過ごしていましたね。
――実際には、ドライブにもぴったりな、シティポップ調の軽快でさわやかな恋愛ソングですよね。初めて聴いたときはいかがでしたか。
【徳永】「うわぁ…これを歌うんや」と思いました。『鬼レンチャン』を除いては演歌しか聴いてこなかったし、歌ってこなかったので、「俺、歌われへんかも、やべー」と思って(苦笑)。秋元さんが作詞された曲も初めてでした。でも、僕が歌えると思ってお声がけいただいたんだと思うので、しっかりと期待にお応えできるように、苦戦しつつも頑張りました。
――池田さんは音源をもらう前は演歌だと予想していた感じですか。
【池田】はい、正直ビビっていました(笑)。秋元さんは演歌・歌謡の作詞も手がけられているので、「STU48初の演歌が来るんじゃないか?」と、ちょっとビクビクしてました。でも、聴いてみたらとてもさわやかな曲だったので、フレッシュに歌いたいと思いました。
――レコーディングはどのようにされたんですか?
【徳永】同じ日に別録りしました。先に僕が録らせていただいて。こぶし回しはどうしたらいいのか迷った部分もありましたが、レコーディングのときに「こぶし入れちゃいましょうよ」と言っていただいたので、好きなように歌わせていただいた感じですね。
【池田】私は徳永さんの声を聴きながら、ハモリの部分とかはいい感じのハーモニーになるように頑張って歌いました。
【徳永】それこそ、僕は演歌歌手なので、ハモリをしたことがなかったんです。レコーディングは別録りなので大丈夫でしたけど、いざ一緒に歌ったら絶対につられるんじゃないかという心配が…。きれいにハモっていくからこそ美しく聴こえるので、生披露はちょっと怖いですね。
■STU48メンバーから「かわいい!」と言われて(徳永ゆうき)
――8月10日のSTU48の「Live Tour 2025~傷つくことが青春だ~」初日には、池田さんの口から徳永ゆうきさんとのデュエット曲が12thシングルに収録されること、11日のツアー2日目に初披露することが予告されました。
【池田】発表した瞬間、ものすごく会場が沸きました!
【徳永】エエッ!? めっちゃ緊張するやん!
【池田】ファンの中には鉄道ファンの方もいるので、(鉄道好きで知られる)徳永さんとのデュエットがめっちゃ楽しみ!と言ってくださいました。
――発表時点では、演歌でデュエットすると思われているファンの方もいらっしゃったでしょうね。
【池田】お見送りのときにもファンの皆さんから「演歌頑張ってね!」「演歌楽しみにしてるよ」と言われました(笑)
【徳永】ハハハ(笑)。完全に演歌やと思ったでしょうね。
――初披露前のリハーサルはいかがでしたか。
【池田】スタッフさんからもメンバーからも大好評でした!
【徳永】メンバーの皆さんが聴きながらとても盛り上げてくださって、「かわいい!」とか言われて。「かわいい」なんて言われたことがないので恥ずかしかったですけど(照れ笑い)。ふだんとは全然違う客層なので緊張しますが、STU48のファンの皆さんと楽しい時間を過ごせるよう、僕自身も楽しみながら歌えたらなと思います。
――もし、この曲が「サビだけカラオケ」で使われることになったら、どのあたりが難関ポイントになりそうですか。
【池田】サビですかね。テンポがずっと速いので、これを“バー”にしたら結構レベルは高そうな気がします。
■目指すは、かまいたち濱家MCの『Venue101』出演、『紅白』も…
――この楽曲を引っさげて目指すところは?
【池田】まずは、かまいたちの濱家(隆一)さん(『千鳥の鬼レンチャン』パネラー)がMCで、徳永さんがいつも「呼ばれたい」と言っている『Venue101』(NHK総合)に出演したいです。
【徳永】ずっと出してくださいと言い続けているんですけど、全然声が届いていなくて(笑)。『FNS歌謡祭』などの大型番組にも出られるように頑張りたいです。
【池田】そして、やっぱり『紅白』も目指したいです!
――池田さんが史上最年少で鬼レンチャンを達成したときに、千鳥の大悟さんが「池ちゃんの時代来ました」とおっしゃっていました。選抜復帰をして、今回のデュエットも決まって、先日はマツダスタジアムのカープ戦で国歌斉唱をされるなど忙しそうですが、池ちゃんの時代は来そうですか?
【池田】徐々に…感じています。“週5休み”から抜け出せて、先月は“月5休み”になりました!
――すごいですね!シングル発売タイミングではますます忙しくなりそうですね。
【池田】頑張りたいです!
――シングルでは実質初選抜とのことなので、表題曲「傷つくことが青春だ」の聴きどころ、見どころも教えていただけますか。
【池田】曲全体は結構明るくてキャッチーな振り付けも多いんですけど、歌詞をじっくり見ていただくと、“いろんな困難があるけどそれも青春”という感じで、私も今の活動の中で重なる部分がたくさんあります。そこを表現していきたいです。あと、今回もポジションは後列の一番端なんですけど、ぜひそこにも注目して見ていただけたらうれしいなと思います。5月に鬼レンチャンを達成できて、今回12枚目シングルで選抜復帰させていただいて、今すごく頑張りたいなと意欲を燃やしています。この調子でアイドル人生を駆け抜けていきたいです。
――最後に改めて、初デュエットの意気込みをお聞かせください。
【池田】今回、徳永さんとのデュエット曲をいただきましたが、ゲストの方を迎えたコラボレーション曲はSTU48にとって初となります。本当にすごい機会をいただいたなと思っています。大切に歌っていきたいですし、いろんなところでこの曲を披露できるように頑張りたいなと思います。そして、STU48が瀬戸内から全国で活躍できるように頑張りたいと思います。
【徳永】まさかアイドルの方とこうやって曲を出すなんて今まで思いもよらないことだったので、本当に貴重な機会をいただきました。本当にさわやかなノリのいい曲なので、ライブ会場でも盛り上がると思いますし、皆さんにも聴いて歌って楽しんでいただけたらなと思います。
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この取材後、2人はSTU48のファンの前で「あの頃のBGM」を初披露。会場は大盛りあがりとなり、池ちゃんは「みなさんに最高に盛り上がっていただいて良い初披露ができました!」と歓喜。徳永は客席からの野太い“ゆうき”コールに驚きつつ「みなさんのパワーと一緒に歌い切ることができました」と感謝の気持ちを伝えていた。同曲は、シングル発売日の8月27日に配信開始となった。
□□□プロフィール□□□
◆池田裕楽(いけだ・ゆら)
2004年2月8日生まれ(21歳)。広島県出身。
ニックネーム:池ちゃん
趣味:自然の写真を撮る・いろんなジャンルの音楽を聴く
特技:反復横跳び
2019年12月、STU48の2期生として加入。2020年12月、『第3回AKB48グループ歌唱力NO.1決定戦』で優勝。そのご褒美として、STU48の7thシングル「ヘタレたちよ」(2021年10月発売)劇場盤カップリング曲として、ソロ曲「気にならない孤独」が収録された。2023年3月には『第5回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』個人戦で優勝。2025年5月25日、フジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』の「サビだけカラオケ」ノーマルモードで、最年少記録となる21歳で鬼レンチャン(10曲連続成功)を達成した。
◆徳永ゆうき
1995年2月20日生まれ(30歳)。大阪市此花区出身。
趣味:鉄道撮影
特技:車掌ものまね・高速指パッチン
奄美大島出身の祖父と両親の影響で、幼少の頃から歌謡曲一直線で育ち『NHKのど自慢チャンピオン大会2012』でグランドチャンピオンを受賞。2013年、BEGIN・比嘉栄昇作曲「さよならは涙に」で全国デビュー、翌年「平成ドドンパ音頭」で『第56回 輝く!日本レコード大賞』新人賞を受賞した。音楽活動だけではなく、鉄道番組をはじめ、バラエティー番組にも多数出演。役者としても劇団☆新感線の舞台や山田洋次監督の映画作品のほか、NHK連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』など様々な作品に出演し、幅広く活躍中。