本作は、同局の水曜午後9時枠に10年ぶりに誕生した新作ドラマ。現代捜査のキーマンとも言うべき最先端のプロフェッショナル集団、【SSBC=捜査支援分析センター(Sousa Sien Bunseki Center)】が舞台。【SSBC】の中に新設された、殺人・強盗・放火などの凶悪犯罪を担当する捜査一課を専門に支援する別班“SSBC強行犯係”のメンバー、そして彼らを取り巻く人々の活躍を描く。
第8話では、相葉演じる名波が「なぜSSBCに配属されたのか」という、今作がスタートして以来の最大の謎がついに明かされる。事の発端は、夜の五反田で起きた銃撃事件。一報を受け、名波とともに現場に急行した伊垣(大森南朋)は、搬送される被害者を見てがく然。撃たれたのは、かつての先輩であり元警察官・加茂雄作(螢雪次朗)だった。
八重樫(遠藤憲一)率いる捜査一課は、現場付近から逃げた“赤いシャツの男”を有力な被疑者と見て捜査を開始。そんな中、意識不明の加茂の元を、なぜか久世内閣官房長官(佐藤浩市)が見舞いに訪れる。はるか昔に退官した警察官の容体を久世がなぜ気に掛けるのか。誰もが疑問を抱く中、加茂を撃った拳銃は、22年前のホームレス射殺事件で使われたものと同一であり、当時その拳銃を奪われた警官こそ加茂本人だったことが判明する。
まさかの事実に当惑する伊垣。
今作では第1話をはじめ、第4、5話、そして最終章となる第8、9話の演出を担当した田村監督。水曜9時枠10年ぶりの新作を誕生させるということで、「伝統の枠でどういう風に進めていこうかとプロデューサー陣とたくさん議論しました」と話し、「結果、古き良き刑事モノの昭和的な良さと、デジタルのスピーディーさ、そして脚本の福田靖さんが描くキャラクターの良さがうまくミックスしたことで新しいエンターテインメントが出来上がったと思います」と手応えも感じていると語る。
「刑事モノなので、“事件は解決”しなければいけないので、そこは堅実に進めつつ、福田さんやプロデューサーの皆さんが作ったキャラクターに“笑い”の要素を入れて、意識的に強弱を作った」と演出面で意識したことも明かした。
今作で視聴者からの人気も高いのが、遠藤憲一演じる八重樫雅夫捜査一課長。「遠藤さんとは『ドクターX』から、とても長くご一緒させていただいているからこそ、既視感のようなものが生まれないようにしつつ、遠藤さんの特性が出ればいいなと考えていました」と田村監督。「遠藤さんは、真面目にやりつつ、怖さを残しつつ、ちょっと視聴者が“かわいい”と思ってしまうような演技がとても上手。視聴者の皆さんの声を聞いていると、(今回の八重樫で)一段階上がりましたよね。
「いい脚本だからこそ、面白いポイントは全力で活かしたいし、“飽きさせない”という意識を持って臨んでいる」という。これまでたくさんの作品を手掛けてきたものの、今作の題材である防犯カメラを使った演出には苦心しているそうで、「なんでこの企画が今までやられてこなかったかが分かります(笑)。でも、だからこそ視聴者の皆さんも新しさを感じて、楽しんで見てくれているのかとも思います」と分析した。
演出を手掛けた今夜放送の第8話に向けては、「とうとう名波と久世官房長官が抱えてきた“謎”が分かっていきます。なかなかボリューミーで見応えのある作品になっていきますし、ハードなんだけど笑える、飽きないクライマックスになっていると思います」と自信を見せた。キャスト陣へは「怪我なく、最後まで頑張りましょう(笑)。あと皆さまが本当に明るくて優しくて、スタッフ一同助かっています、とお伝えしたいです」とメッセージを寄せた。