■改造のポイントは「自然に近い色や素材を使うこと」「上手く隠すこと」
――6月に投稿された「50分でお庭プチ改造」が128万再生の反響です。
「なんだかすごい反響で、私も驚きました! 私自身ずっとなんとかしたいと思っていた場所なので、同じように気になっている方が多かったのかもしれません。もしくは、簡単にできることなのが良かったのかも?」
――きの子さん的には、どこが改造したいポイントだったのでしょうか?
「家の基礎が丸見えなのが、ずっと気になっていたんです。可愛い棚を置いたり、鉢を置いたりしてみたのですが、何をやってもしっくりこなくて…。何年もずーっと試行錯誤していました」
――改造後のお庭には、「素敵!」「センスがいい!」といった称賛コメントが相次いでいました。おしゃれに見えるポイントや工夫した点について教えてください。
「センスがいいだなんて…ちょっと照れくさいですね。ただ、やっぱりせっかく挑戦するなら、センスよく仕上げられたらいいなぁとは考えていました。そこで、まずは本や雑誌で参考事例をたくさん見てみることにしたんです。そうしたら、素敵に思えるお庭には様々な共通点があることが分かりました」
――共通点ですか?
「はい。例えば、鉢や素材にこだわっていること。
――投稿には「基礎周りに鉢を置くこと」に関する補足もありました。
「基礎の前に鉢を置くのはよくないのでは? と心配される方が多いかと思ったので、住宅メーカーの方に確認して補足しています。結論としては、通気口を塞いでいないし、お手入れもしているということで、問題はないようでした」
――注意しておくべきことはなんでしょうか?
「基礎周りの問題となるのは、通気口をふさぐような背の高いものを置くことと、管理をおこたって虫を発生させること。シロアリが発生する可能性があるので、古い木材を放置するのも厳禁なようです。住宅メーカーとしては基本的になにも置かないで欲しいけれど、通気口を塞がない程度の低い花壇や鉢を置くくらいは全然大丈夫…とのこと。過剰に怖がらず、楽しんでもらえたら良いなと思います」
■どうしても「汚庭」になってしまう人へのアドバイスは…?
――「浜名湖花博コンテナコンテスト人気投票1位」などの実績を持つ、寄せ植え講師であるきの子さん。これまでのガーデニング歴についてお聞かせください。
「私は静岡デザイン専門学校フラワービジネス科を卒業しており、ずっと花に携わる人生をおくってきました。ガーデニングは実家でも少しやっていましたが、本格的に自分好みのお庭を作りはじめたのは、結婚して家を建てた2012年の11月頃から。その後、コロナ禍で外出を控えるようになり、ガーデニングの時間をたくさんとれるようになりました」
――もともと、花は好きだったのですか?
「幼い頃から花が好きな子どもでしたね。
――ガーデニングの魅力とは何でしょうか。
「ワクワクして、楽しくて、癒しにもなる。ついでに苗を作って販売すれば、ちょっとしたお小遣い稼ぎもできます(笑)。そう考えると『幸せになれる』というのが、ガーデニングの最大の魅力なのでは? と私は思います」
――自分の家の「汚庭」に悩んでいるものの、どこから手をつけていいか悩んでいる人も少なくありません。最後に、素敵な庭にするためのアドバイスをお願いします。
「他の方のお庭を見てよく感じるのは、『いらないものは捨てよう!』ということ。お庭って、不用品を思い切って手放すことから始めないと、なかなか整わないんですよね。難しいのが、うまく育っていない植物や花が咲かずに放置して草に埋もれている鉢といったもの。これらも手放す勇気が必要かなと思います。
――すごくよく分かります! いつか使うかも、いつか咲くかも…と考えて鉢や植物をとっておくので、どんどんものが増えていってしまいます。
「私自身も、いくら片付けてもすぐに散らかってしまうタイプなのですが、やっぱり『捨てないことには始まらない』と感じています。お気に入りを残して、増やしすぎないこと。それが心地よいお庭への一歩かもしれません」
――ぜひ、試してみたいと思います。
「また、ガーデニングをするときは、片付けも含めて時間を確保することも大事かと! 実は私の家も裏側はまだまだ『汚庭』なんですよ(笑)。2歳児を子育て中なので、お昼寝が終わるとガーデニング時間は強制終了なんです。だから片付けまで手が回らず、放置してしまうことも多くって…。理想は片付けしてから終わること。できなければ、次にガーデニングする時にはじめの10分は庭を整えるようにしたら、少しずつ改善されていくかもしれませんね」