『国宝』は、李相日監督、吉沢亮主演。黒衣として3年間歌舞伎の世界に身を置き、その体験をもとに執筆した吉田修一氏による同名小説を、実写映画化。任侠の一門に生まれながら、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄が、芸の道に人生を捧げ、やがて“国宝”と称される存在になるまでの50年を描く、壮大な一代記。喜久雄を吉沢、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星が演じた。
2025年6月6日の公開から興収173億7739万4500円に達し、歴代実写邦画1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を超え、実写日本映画の堂々1位を記録。『報知映画賞』では、「作品賞・邦画部門」「主演男優賞(吉沢亮)」「監督賞(李相日監督)」と、新たに新設された「BS10プレミアム賞」での4冠を達成となった。
現地時間11日に米・ロサンゼルスでトム・クルーズ主催の『国宝』鑑賞会が実施された。監督賞の贈賞の際、トム・クルーズと親交がある翻訳家の戸田奈津子と食事したという選考委員のLiLiCoから「2日前に戸田奈津子さんと私の家でご飯を食べて、この話になってトムにメールをしました。すぐに返事が来て『こんなに素晴らしい映画は全世界のみんなに観てもらわなければ』と」とエピソードが披露された。監督賞の受賞のスピーチで言葉に詰まってしまった李監督は「先ほどトム・クルーズのお話が不意に出たので、ちょっと頭が真っ白になってしまいました。昨日の夜帰ってきたので」と苦笑いを浮かべていた。そして吉田修一氏に「彼が何年経っても、僕がどんな判断をしても、変わらず信頼を寄せていただけたので最後までやりきれたと思います」と感謝。
同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2024年12月1日から2025年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督となる。
今年で50回目の記念すべき開催となった『報知映画賞』。『国宝』が4冠を達成したほか、『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が手掛けたヒューマンサスペンス『ナイトフラワー』は「主演女優賞(北川景子)」「助演女優賞(森田望智)」の2部門に、「助演男優賞」には『爆弾』の佐藤二朗が選ばれた。
■受賞一覧
作品賞・邦画部門:『国宝』
作品賞・海外部門:『エミリア・ペレス』
アニメ作品賞 :『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
主演男優賞:吉沢亮(『国宝』の演技に対して)
主演女優賞:北川景子(『ナイトフラワー』の演技に対して)
助演男優賞: 佐藤二朗(『爆弾』の演技に対して)
助演女優賞:森田望智(『ナイトフラワー』の演技に対して)
監督賞: 李相日監督(『国宝』の演出に対して)
新人賞:松谷鷹也(『栄光のバックホーム』の演技に対して)
BS10プレミアム賞:『国宝』
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