『国宝』は、李相日監督、吉沢亮主演。黒衣として3年間歌舞伎の世界に身を置き、その体験をもとに執筆した吉田修一氏による同名小説を、実写映画化。任侠の一門に生まれながら、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄が、芸の道に人生を捧げ、やがて“国宝”と称される存在になるまでの50年を描く、壮大な一代記。喜久雄を吉沢、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星が演じた。
2025年6月6日の公開から興収173億7739万4500円に達し、歴代実写邦画1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を超え、実写日本映画の堂々1位を記録。『報知映画賞』では、「作品賞・邦画部門」「主演男優賞(吉沢亮)」「監督賞(李相日監督)」と、新たに新設された「BS10プレミアム賞」での4冠を達成となった。
花束プレゼンターとして田中泯が登場。笑顔で抱擁した。壇上のスピーチで吉沢は「このような栄誉ある賞をいただきまして、光栄でございます。ありがとうございます」としみじみ。この作品に参加するまで「何度か歌舞伎を見たことがあるぐらいの距離だった。どれくらい大変なのか何もわからない状態で、ただただ憧れの李相日監督の作品ということだけで飛び込んだ世界だった」という。
それでも「やるしかない。意地のようなものだけで、飛び込んだ作品でした」と述懐。そして、スタッフ、キャスト陣に感謝の言葉を並べ「特にエキストラの皆さんです。歌舞伎のシーンは朝から晩まで2日間かけて、1つの踊りを撮ったりした。本当にエキストラの皆さんも大変だったと思うんですけど、毎回新鮮なリアクションをくれまして。そのおかげで、本当にこの作品に関わった全ての皆様のおかげで僕はあの瞬間だけ歌舞伎役者になれたかなという気がしますし、喜久雄として生きることができました」と感謝する。「この賞も本当に皆様と共にいただけた賞と思っております。本日はありがとうございました」とスピーチを結んでいた。
同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2024年12月1日から2025年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。
今年で50回目の記念すべき開催となった『報知映画賞』。『国宝』が4冠を達成したほか、『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が手掛けたヒューマンサスペンス『ナイトフラワー』は「主演女優賞(北川景子)」「助演女優賞(森田望智)」の2部門に、「助演男優賞」には『爆弾』の佐藤二朗が選ばれた。
■受賞一覧
作品賞・邦画部門:『国宝』
作品賞・海外部門:『エミリア・ペレス』
アニメ作品賞 :『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
主演男優賞:吉沢亮(『国宝』の演技に対して)
主演女優賞:北川景子(『ナイトフラワー』の演技に対して)
助演男優賞: 佐藤二朗(『爆弾』の演技に対して)
助演女優賞:森田望智(『ナイトフラワー』の演技に対して)
監督賞: 李相日監督(『国宝』の演出に対して)
新人賞:松谷鷹也(『栄光のバックホーム』の演技に対して)
BS10プレミアム賞:『国宝』
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