本作の原作は、『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説。弟の死をきっかけに現実から目を背けてしまった母を中心に、それぞれが“嘘”を抱えながらも共に生きる羽猫家の約30年にわたる物語を丁寧に描く。
今回解禁された本編映像は、クリスマス・イブの日に、山吹と頼が子どもたちの集まる「こどもハウス ひだまり」を訪れるシーン。ささやかなクリスマスパーティーが開かれる中、サンタ姿の頼が「はーい、読み聞かせはじまるよー!」と声をかけ、白い大きな袋から絵本を取り出すものの、子どもたちはすでに内容を知っているものばかりで困ってしまう。
そんな頼を助けたのが、〈トナカイ〉姿で見守っていた山吹だ。「みんなー、くま人間って知っとる?」と声をかけ、画用紙とペンを手に、即興でオリジナルキャラクターを描き始める山吹。その場で紡がれていく“架空の物語”に、子どもたちはたちまち引き込まれていく。優しい語り口とともに映し出される“くま人間”の物語は、少し切なく、どこか温かい余韻を残す。隅っこで一人本を読んでいた子も物語に耳を傾ける様子からは、山吹の持つさりげない優しさと、人を包み込む温もりが伝わってくる印象的なシーンとなっている。
本作で3度目の共演となる高杉と伊藤は、現場でも役柄さながらの穏やかな空気感だったという。森ガキ侑大監督は「もともと別作品でもご一緒されていたようで仲が良いんですが、二人とも似ているんです。山吹も頼も本音が言いにくい受け身で、不器用。初日にプロデューサーと4人でご飯に行ったら、二人ともすごく寡黙で(笑)。役そのままでしたね」と撮影裏のエピソードを明かしている。
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